■2016年1月4日(月) 曇り
山口県周南市(徳山市)のJR徳山駅でレンタカーを借りて9時出発。瀬戸内より120km走行し日本海側へ。長門市のかよい地区へ。くじら資料館。
中世の大内氏家来の早川氏(鯨の網採り法の開発)が近世、当地の網頭となり、鯨組を組織したが、カラムシを素材とした網、、、、苧網(おあみ)が使われることが強度の点で画期となった。このことは福島県昭和村『広報しょうわ』2月号に記事を書く予定です。
くじら資料館の館長・早川義勝さんに資料館内を案内いただいた。早川家の現当主で、自宅は国指定重要文化財に指定されている。
長門市くじら資料館は、通(かよい)浦地区の近世の心を移す、鯨の墓(元禄期)もあり、職漁のなかでの生き物への供養(回向)を現在まで続けている点など、たいへん立派な精神文化の拠点となっている。すぐれた資料館である。
網、綱の素材はイナワラや麻類。特にカラムシ(苧麻)を近世中期の延宝期から使用したところに青海島の通地区の創発(画期)がある。萩の上流の川上苧が使われたといわれている。
私は、カラムシのクジラ採り網・綱が普及すると、近世最大のカラムシ原料産地である安価な最上苧(繊維を短くしない長苧、山形県産)が舟運にて若狭付近に来て、それが長州(山口県)の北浦一帯に普及したのではないか?と考えている。
その後には、アサが使用されているようだ。
網の浮きには『桐 キリ』材が使用されている。
細かく裂く衣料用繊維としてのカラムシは米沢苧のなかの撰苧(えりそ)と、奥会津地域の影苧(かげそ)。漁業用には、繊維の根元から裏(頂部)までを利用した長苧とよぶ最上苧、、、ではないかと思われる。商品規格の長い意味を考えるとそこに行きつく。
課題は山口県内で繊維植物として近世江戸時代に産出されたカラムシ(青苧)の記録、商品規格(長さ、サイズ等)が調査されているのかどうか?
■ 徳山に夕方に戻り、著名な古書店であるマキノ書店で類書を探した。古式捕鯨の、山口県内の昭和32年、43年発行の2冊の古書を5000円で購入。
■ あす1月5日は朝のフェリーで徳山港から大津島をめざす。人間魚雷・回天資料館を見て引き返し、昼に新幹線で東京駅まで行く予定。 会津には6日に帰る。
美祢 みね が分岐点。
宇部
石灰岩山地を切り崩してセメントを製造
分岐点の みね 美祢
通浦の くじら資料館。裏手に鯨墓がある。
からむしの網
早川家の当主、早川くじら資料館長。
その土地を歩き、資料館・博物館等を見る。
そしてその土地の古書店を見る。地域史誌など、関連資料を見る。
時間があれば図書館、公民館等も見る。
明日は7時台の舟で大津島へ
乗り場を確認