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2006年5月25日 (木)

木をかばう

20050617tb この20年間の聞き書きノートをもとに、パソコンに向かって、集中して『会津学2号』(7月末刊)の原稿を書いています。聞いたことを入力して、いくつか編集・分類して、、、、という作業が終わり、本文を書きます。図面、、、作図はトレースして出しています。教わったこと、聞いたことを出版する、という行為は書物で後世に残す作業でもあり、話者との信頼も大切。出版というのはパブリッシング、、、、公的営みです。

 この3日間で1時間しか眠っていない。カンヅメです(漫画家が旅館やホテルに詰め込まれて締切前に徹夜で原稿を書くこと)。

■5月24日も午後より晴れ、終日、原稿を書いた。パイプハウス建てもあと少しになっている、、、原稿の締切で、なかなか考えがまとまらず、書けずに、気ばかりあせる。パソコンのディスプレイ画面で、A4版で20ページは書いた。1ページは1600字(400字×4枚)。400字で80枚。32,000字。
 あと1本、書かなければならない。本多勝一は、原稿1本で400字詰め原稿用紙で100枚は書く、ことを言っている。4万字だ。

 1997年に出したイヌワシの本のときは60万8千字書いた。400字詰めで1520枚(本文1040枚、残りは資料編)。40日間、病院にカンヅメになって書いた(交通事故で骨折し入院していた)。あれから10年。

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 節約する、、、ことを「かばう」という意味の「かぼう」というのが昭和村大岐と舘岩村湯ノ花の語りから出てきた。

 木を節約するため、木を割った薪(まき)で風呂を焚くのですが、新湯(あらゆ、荒湯)といって新しく汲んだ水を焚くと薪が多くいる。それを2日目も焚くと、たてかえし、といってわずかな薪で湯が沸く。そして水を汲みかえる。それを3日目も汲みかえずに薪を焚くと、薪の節約になる。風呂の水質の問題はあろうが、時にそうして薪を節約した。それを木をかぼう、という。薪が減らないようにする。

 木をかぼう、木をかばうというのは、誰の立場でに何を大切にしているのか?というのがわかる。20050617tx

 舘岩村ではコメの減りを少なくするため、トチの実をアクだしして混ぜる。それを「コメかぼい」という。ダイコンの葉を乾燥させて、コメに混ぜるカテメシもよく食べられた。

■節約することを「カボイガダ」(かばい方)という。たとえば、木をかぼう。風呂を木を焚いて湧かす。二晩でたてけえすところを、三晩にして「木をかぼう」。(1986年1月25日 昭和村大岐 祖母・菅家トシに聞いた話)

■トチモチ(栃餅)は、「コメかぼい」どいう。昭和のはじめのころまで、秋上げは三斗五升で一俵。六から七人家内で一冬喰った。
 大正期までは耕地整理をはじめ、コメがとれはじめた。大正の十二・十三年ころ開田した。湯ノ花で田ができたのは百年たらずと言われている。塩ノ原と熨斗戸は田どころだ。 うちのジサマはよく「コメは塩ノ原から持ってくっからいい」といっていた。Img_1391

 トチはトチガユ。灰汁に入れ煮たものを、米入れかゆにして喰った。トチモチは、ヤマノクチの日だけで、一から二俵も拾った。留山になっていて、ヤマノクチは、お彼岸のお帰りの日がヤマノクチで、その日から拾える。トチとカヤノミがそうだった。

 昔から温泉がある。湯の利用はトチノミのアク(灰汁)だしで湯に浸けた。流水のより早く灰汁がぬける。共同浴場は三十四人の共有だ。利用している人で掃除している。正式に集落に加入していない人は除く。一年のカカリ(経費)を払わない人は酒を買う。(1990年10月15日、舘岩村湯ノ花の星昭太郎さん(昭和二年生まれ)から聞いた話)

■イシクラにトチクボがある。タカモリにもトチがいっぱいある。粉をいって、「トチッケイ」をよく食べた。ツッツメ(つっつめ)という燃えない丸太、太い丸太を燃やして、アク(木灰)をとった。アクがたんにぇくなっから、アク抜きに使ったアクを、また、ユルイ(いろり)に入れ、乾かして使った。トチは何俵も拾ってた。(1986年2月16日、金山町上野沢 若林武喜さんから聞いた話)

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※ひとつのものを、大切にして、工夫して食べる。

(1990年10月15日、舘岩村湯ノ花の星昭太郎さん(昭和二年生まれ)から聞いた話)

■カブといえば赤カブだが、種類はひとつしかない。種で一年は赤、二年目種は赤くなっとこど、ならないとこある。土を嫌う。ここでしか赤くならない。
 種は農協が川衣の人に委託していいものを選んで採ってもらってる。塩ノ原、熨斗戸は良くない。昔は自家採取していて、春に採った。
■昔の食べ方は、カブ漬け、煮ても食べた。ご飯を少し入れカブ雑炊。そばがきが中心。煮たカブを温めてそばを入れて練りつぶす。カブの葉っぱの菜(な)は、干し葉にしてカテメシにするし、おつゆのミとした。
■ぜいたくな漬け物として身欠きニシンとカブ漬け。身欠きニシンは三センチくらいに切って、カブと一緒に入れた。葉っぱと茎を少しづつつけて、丸ごとつけて八十八夜の雪溶けたあとに食べるものだった。
■ダイコンは丸漬けが長持ちした。茎葉を少し付ける。丸漬けダイコンを千切りにして、納豆や豆腐でよごして食べるととてもうまい。
■切り漬けダイコン、古くなって酸っぱくなったダイコン漬けを煮てカラシを入れて食べる。

(1986年2月16日、金山町上野沢 若林武喜さんから聞いた話) Img_8079

■アザキダイコン。今年は二反歩ばっかやっぺど思ってる。神代のダイコン。オオシウワノ、コグリヤマウワノへんにある野生のダイコン。そのタネをこいてきて、田(畑)にまいた。花は六月に紫のが咲いてきれいだ。荒らしてしまうと出ないが、耕すとまだでる。ソバに負けない。とうがたっても食べれる。とってすぐ水につける。空気にあたると硬くなる。からい、硬いので福神漬けの材料にはよい。

●(バサマ)アザキダイコンは、外皮が固くて百年も腐んね。弘法様のお授けだ、なんていう。食糧難のころ(戦中・戦後)、カテにしてよく喰った。タネになる前に、おひたしにして喰ってもよい。20050617hj

■カライモ。ブタイモともキクイモともいう。七月ごろ、ひまわりより少し小さな、似た黄色の花を咲かせる。福神漬けに入れる。

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