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2006年11月 2日 (木)

期待感

■2006年11月2日(木)オランダでは午前2時にこれを書いています。日本は午前10時で陽光がまだ秋とはいえ豊かでしょう。20061101img_0019

   →→→視察記録(11月1日)

 12時間の閉塞された航空機内は、やはりたいへんな精神的にも肉体的にも苦行です。その長い時間を経ることで、日常からの離脱があるわけですが、日本人通しでの視察行となると、日本社会そのものを持って行くので孤独感はありません。それが良い場合、悪い場合があります。

 海外視察は、日常から離れ、、、といっても携帯電話は8時間の時差があっても、きちんと日本の番号でつながる時代です。であっても、自分の仕事、その将来像、抱える課題などが、終日(それも7日間)、考えるわけですから、有効なことは間違いありません。20061101img_0002

 できること、できないことを峻別することと、理念とかビジョンを作る、、、、日本での作業の課題が相対化できることがあります。もうカルチャーショックを受ける世代、世界ではないので、その問題意識がとても重要になります。

 今回の参加者には、立ち話ですが、空港で、機内で、あるいはオランダについての食事のときに、「何のために視察に参加したのか?いま日本で抱えている課題は何か?それをどのようにして今回の視察で克服しようとしているのか?」を、それとなく参加者全員に聞くようにしています。

 オランダについた夕方は雨でした。気温8度。寒い。20061101img_0020

 ホテル行きの連絡バスが渋滞で来なかったせいもあり、空港には16時ころに着いたのですが、夕食は19時になりました。日本的に大声で会話できる雰囲気ではありません。レストランの周囲のお客様に配慮して、小声で話す、、、、ということになり、同行者の別のテーブルの声はほとんど聞こえなくなります。

 20時頃、先乗りしていたクリザールの米田社長らが夕食に来ました。10数名のブーケメーカー(日本の花束加工業者)の担当者らが同じフロアに入ってきました。とても若い人たちで、加工、売場をずっと見てきたはずです。この陣容で、今後の量販店の売場は少し変化がでてくることを予見しました。責任者と若い担当者で来た企業が多いようです。20061101dsc00236

 昭和花き研究会が取引関係にあるのも半数あり、既知の方も多く参加されていました。兵庫県・愛知県・宮城県・新潟県・首都圏、、、、からです。

 一方、我が参加のエルフ協会ジェルファの視察は8割が卸売市場関係者です。生産者は私(菅家)一人。農協の営農指導の若い女性が一人(大井川農協)が生産に関するすべての参加者でした。成田空港からスキポール空港まで、できるだけ、新しい参加者、会ったことのない人とお話をしました。取引関係の無い卸売市場の人々が持っている情報は、取引先の情報とは異なる意味を持ちます。取引の無い市場の人々と話をすることは、通常の生産者団体では避けてきていること(取引先市場への配慮で)、、、、が多く、それでは半分の業界情報にしか接していないことになります。20061101dsc00227

 同じように栽培品目の情報しか生産者は興味がありません。そのことも視野や取り組みを遅らせることになっています。

 スキポール空港のバス乗り場では、JA上伊那の3名の方にも偶然、お会いしました。彼らとは行き先が違うので、すぐ分かれて、ホテル行きのバスに乗りました。

 このバス待合いは外で雨が降る、漆黒になっていく、、、、という寒さのなかで、皆参加者は寒さ対策をしてこなかった、、、、ことを話しています。エルフバケットの導入について、今日は新しい情報に接しました。長野県のJA農協部会でのエルフ採用がとても多くなってきたこと、その品種はトルコギキョウが中心であること、、、、です。会津のトルコギキョウはこの8月から9月はじめ、まったく売れませんでした。湿式縦箱という段ボールでの見えない出荷の時代は終わったと思います。山形の庄内もエルフバケットですし、長野県の共選もそのように変わってくる、ということは、これまでエルフ出荷の既存生産団体は新しい取り組みが必要(競争力がなくなったということ)、まして段ボールでの湿式縦箱の花が見えない出荷はとても不利な時代になった、、、、ということを感じました。20061101dsc00205

 オランダでは2大市場が競争して産地の立場で、今度は2年後に合併合意しました。その拝啓には、この合併で基本仕様を統一しコストダウンはからなければ生き残れないほど、苦慮し課題を抱えている、、、、ということだと思います。規模の経済や、流通至上主義の経済が見失ったものが、また加速して拡大するような気がしてなりません。

 大きい者から倒れる、、、、ということもあります。かつての日本の金融業界がそうだったように、、、、

 それだけ小売業、とくに量販店の仕入れ環境が変化している、、、、ということだと思います。特に市場外出荷、海外産地からの商社経由での流通が力を持っている、ということでしょう。市場外出荷というのは、卸20061101dsc00211_r1売市場経営者側から見た場合の視点であり、通常は卸売市場を経由しない取引が通常取引で、市場取引が例外取引ということになります。

 オランダの卸売市場は花生産者が経営しています。つまり産地の農協が経営しているわけです。協同のあり方を含め、、、、たとえばスイスのコープ(生協)、ミグロスなど小売業は直接取引から発展してフェアトレードを勧めてきています(コーヒー、バナナ、バラなど)。それは第3世界との共存を目指した運動です。

 協同組合には理念が必要ですが、日本の場合も、オランダも場合も、こうしたその組織が生き残るための合併は必要だとしても、はたして消費者の利益になるのかどうか?日本の生産者が海外産地との競合を考えた場合、これまでの議論に欠けてきたのは、消費者(生活者)の利益が全くなかったことです。そうした大きな転換期に、オランダの花卉業界、世界の関係者がホルティフェアの会場に集まり、なにを感じていくのでしょうか?

※日本とオランダは時差が8時間あります。時計はすべて8時間遅れに設定していますが、このノートパソコンの機内時間は日本時間のままでおきます。20061101dsc00162

 プレスリリースはホルティフェアにあわせて行われており、積極的に改革をしていく、、、という姿勢を打ち出したとは思いますが、進路がよく見えてきません。

(オランダ・アムステルダム、ラディソンSASホテル・アムステルダム・エアポートの206号室より。菅家博昭)

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