« デビュー | トップページ | 根百日 »

2006年11月14日 (火)

風景の創造

■2006年11月14日(火)

 欧州視察はまとめたので、頭の中からは消えた。目の前の雪とハウスの解体のことが目下の視野にある。時差の体調不良も日常にようやく戻った。

 今日もパイプハウスの解体作業の継続だ。更地が増えていくと、ほっとする。もとのかたちにして冬を迎えられるからだ。木々が秋には葉を落とすように、地上部の構造物はすべて無くして雪を迎える。鉄製のアーチ型のパイプを抜いて、横に寝せていく。雪がパイプの上に積もれば、何もない雪原になる。春に溶けた雪の後にまた建てる。スギ起こしも同じだ。10年間ものあいだ、植えたスギが雪で押され、それを春に起こし縄で引っ張る。20061113img_1135

 いつも通る博士峠は10月に大きな除伐作業が行われた。20年ほどのスギ植林地が道路近くの間伐をした。目通りが良くなった。これだとクマも出てこれない。吹き付けたコンクリート法面(斜面)のワイヤーネットを張り、落石防止の作業も峠で行われていた。それと雪崩防護柵の工事も、、、これは雪にやられたと思う。10月末まで終わっていなかった。

■11月13日(月)の作業。

 欧州に行っていたので、畑の後片付け作業は、雪のなか、となってしまった。秋の10日間の留守、、、は作業的にはたいへんだ。父にハウス内のフラワーネット取りをしてもらって、僕はずっとハウスの骨組みの解体をする。肩のとめ具をはずして、肩部の直管を足元に下ろす。妻部の鳥居型のはずし。あとは、片側から3間(5.4m)おきに1本だけ引き抜いたまま脚部を仮指しして、ずっとはずしてアーチパイプをまとめていく。引き返しに残ったほうを抜く。3間おきに残した仮指しのアーチ部と天井部は、押せば倒れ、それを引き抜き終わる。20061113img_1138_1 新しいハウスは解体はすぐ終わるが、10年以上使っているさびたものはジョイントが抜けずに苦労する。

 解体するのが目的・仕事ではなく、来年に立てやすいように工夫してパイプを置くこと、来年に雪解け後にハウス建ての仕事がはかどる段取りを考えて解体しているので、、、、毎年少しずつ工夫が蓄積されていく。いつも農家は次の年、その次の年のことを考えて仕事をしている。僕が特別なわけではない。

 はじめれば作業自体は早いが、そこまでいろいろと段取りの作業がかかる。どんな仕事でも着手して時間をかければ終わる。ところが畑に出る前に来客があったり、作業しながら風景に見とれてカメラを取りに車に行って撮影したり、、、、鳥が来れば双眼鏡を車に取りに行って見たりするから、、、、なにもできない、、、風雪のなかでの作業がいちばんはかどる。風雪のなかでの作業は、仕事に集中し、その生きがいがいちばん充実するときだ。なぜなら人間しか野にいないからだ。動物や昆虫はすべてじっと息を潜んで隠れている。磯村社長がオランダは危機をチャンスに考えている、、、、、ということを言っているが、低価格が続くいまはいちばんのチャンスなのだ。なぜなら皆、努力しようとひとつの方向に力をあわせることができるからだ。今年の経験は、ことに販売では、来年には活きない、、、、まったく最初から組み立てなおす覚悟が必要だ。

 雪が降っているので足元は寒いので、冬の服装で仕事をしている。まだ靴下は1枚で寒くないが、もうすこしすれば毛糸の靴下を木綿の靴下の上に重ねて履く。ズボンの上にゴアテックスの合羽のズボンを履くと風が防げるので下半身は寒くない。

 上着はTシャツに木綿のシャツ。その上に綿の入った上衣。雨が降ればその上に合羽の上衣を着る。晴れれば、よいが雪になれば、合羽でも寒くなるので、スキー場で着用するような首から風の入らない防寒衣を着る。

 手袋は通常は軍手。雨、雪だと、ゴムでできた手袋で中は木綿が引いているもの。

 耳が寒くなるので毛糸の帽子。頬は、、、、いいでしょう、寒くても。その頬に、、、、、

 今日は、ドライバーで肩部のジョイントをはずす作業をしていたらドライバーが飛んで左の頬に刺さった。が、大事には至らなかった。通常は小さなかなづちの木製の柄の部分をマイナスドライバーのように削って、それで肩部のジョイントをはずす道具としているが、それをつけた軽トラは父が使っていたので、別な軽トラを使って圃場まで行ったので、道具がなかったので、ドライバーを使っていた。20061113img_1168_1 夕方は指先が寒くて利かなくなるので、こうしたことがたまにおきる。

 雪が降るので、車でいけなくなるところから解体している。あとは雪道を歩いても行きやすい場所なので。小鳥の声が木の葉が落ちてから、響くようになった。今日の畑ではモズがずっと鳴いていた。昆虫や両生類の気配はまったく無い。

 午後4時には薄暗くなり、5時には漆黒となる。日は短い。明日からは3日間の解体で、体が慣れてきたので一気に解体するが、まだまだ棟数が多い。8割の生産者はすでに解体を終えて、冬のための野菜、、、夏に播種していたダイコン、白菜、根菜類を収穫し、土のなか、あるいはわらでつくった「にゅう(にお)」に積んでいる。雪が積もって保冷室になる。家や小屋の冬囲いも、ほぼみな済んでいる。

 建物は解体し、後片付けをして、すべてもとの状態にして冬を迎える。始末、、、、、とはたぶんこうしたことを言うのだろう。昨年も秋に一人亡くなり、今年も秋に事故であったが一人亡くなった。集落の人口は毎年一人ずつ減っていく。秋か春に亡くなる人が多い。

 新しい年は新しくはじまる。

 ハウスを建てる体力がなくなれば、引退だが、70歳でも100%現役。73歳を超えるとやはり減反していく人が多い。春に立てたハウスは秋に解体する、、、固定したハウスを持たないという工夫は、しかし作物だけは変えないという強い意志で支えている。1984年にかすみ草が、それまでの葉タバコ栽培に替わってから、20余年。ひとつのものを作ることが支える人生は、販路の工夫で時代との調整をする、、、、ということだ。植物と向き合って各個人が内面にしか蓄積できないことなので、それを資産とするためには、販売、、、、つまり時代との調整をするところが機能する仕組みをもつことが必要で、過去には苧麻(からむし)・麻では600年も栽培を継続してきた。得意先はそれぞれに越後と北関東であった。その時代ごとに傑出した農家がいた。それは地域と社会環境がうんだものだ。

■花を作り出した頃150種類くらいの草花、球根を作っていた。山百合の種子(写真下)を晩秋にあつめて、播種し、3年養成していた。ある年の春にすべてねずみにその球根を食べられてからユリの栽培は止めた。

■富樫君のスポンジ。→→→花プランブログ

20061113img_1145

|

« デビュー | トップページ | 根百日 »

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)


コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。



« デビュー | トップページ | 根百日 »