« ホルティフェアの写真 | トップページ | 昭和30年代の豊かさ »

2006年12月21日 (木)

咲いた かすみ草

■12月20日(水)。冬休みに入った高三の子どもから連絡があり、待ち合わせして、夕方、会津若松市内の書店を三軒まわった。10月末で、行きつけの書店・宝文館が閉店してしまったので、書店に行く意欲がこのところ無くなっていた。冬休みでも、例の履修不足問題でずっと登校して補習がある、ということだった。彼女は、参考書を七千円分ほど買った。アニメの鉄コン筋クリートのムック本が出ていて、これを見たいねということになった。12月23日から上映がはじまる。→→→ 鉄コン筋クリート

 私は9月からの出張はすべて自費で行っているので、今年は支出を抑制しているので、物は買わないようにしている。単行本は図書館でも、アマゾンでも古本での流通があるからいいのだけど、社会から消えてしまう雑誌のうちで、必要になるだろう雑誌を5冊ほど買った。

 毎日新聞社が今年(2006)の7月に創刊した季刊『プランテッド3号』が12月14日に発売されていた。毎日ムック、という形での出版で、売れ行きを見ながら月刊化も考えるスタイルだろう。838円。雑誌はコンセプトに同意した会社の広告で成り立つ媒体なので、それを読むようにしている。裏表紙は無印良品。なかみはオーガニックの大地の会など、、、、記事でも大地宅配が取り上げられている。ミスチルのプロデューサーとして有名な小林武史が、環境と消費を考えるクルック・プロジェクトとしてプロデュースした都内神宮前のレストランに大地の会の代表が訪問する、、、、というスタイル。

 雑誌は本文ではなく、写真やキャプション(写真の説明文を含む)に編集・記者の精神が濃縮されて書き込みされるので、、、、、大地宅配の習志野物流センターの写真は5度の温度管理、ピッキングシステム、商品カタログの撮影、、、、ドッグ方式のターミナル(オランダの花市場のような、、、、)天然ガス車・ハイブリッド車を使用する、、、、、土を健康にして農薬を抑えた栽培であっても、流通は近代化していることがわかる。

 →→→クルック・キッチン

 →→→大地の会

 →→→季刊誌 プランテッド

 初夏に発売された『プランテッド』創刊号には、かすみ草の種子が付録として付いていた。フラワーカード、という様式だった。国産の市場流通しているかすみ草のほとんどは宿根草で品種が異なるのだが、ホームセンターなどで売っているのは種子のかすみ草で草丈が短いので庭用で、グランドカバーとして使う。

 71ページに読者からのメールが掲載されていて、千葉県のkikutaさんという28歳の女性は、「(プランテッド1号)の付録に付いていたかすみ草が先日咲きました。間引いていないのが原因なのか、下のほうで、わさわさ茂るばかりだったのですが、ある時、1本だけすくっと伸びてきて、あっという間に咲きました。」

 このメールを読むと、間引きとか、植物を育てる経験のある人だろう、ということがわかるのですが、小さな写真が1枚掲載されていてプランターでシュートを伸ばしたかすみ草が写っています。

 いとうせいこう編集長は次のようにコメントしています。

 「すごい、見事です。うらやましいです。嫉妬します。僕は編集長特権でもうひとつかすみ草の種をもらったのですが、今育てているところです。数センチ伸びたところ。冬が越せるかどうか心配で仕方ありません。でも、成功例を見るとやる気は増しますね。必ず僕も咲かせて見せます!」

 大きな雑誌の片隅にわずか5行の記事です。

 今回は植物を巡る旅の特集なので、オーストラリアが取り上げられていて、10月のIFEXにもサントリーフラワーズが大きく取り上げていたBonzaの園芸植物が記事と広告と境界のないかたちで取り上げられている。

 記事と広告が境界なく、、、、というスタイルがこの雑誌の特徴で、表参道ヒルズのUGGオーストラリアの靴を基本に、都内の5件の花屋が紹介されている。すべてUGGの靴への花あしらい、登場人物がUGGの靴を着用している、、、、、という取り上げ方。青山、代官山・中目黒・恵比寿付近。

 カントリーハーベスト、HPDEKO、フラワーズネスト、GINNGO、マティルダ

 この『プランテッド』という雑誌は、植物を通して構成されているが、オーガニックな、、、成功資本からの広告、有名人、、、、という構成で、優香が育てるかすみ草という創刊号から少しづつスタイルを変えてきているが、広告主やその商品を使う有名人ユーザーの対話を通して、広告とわからない記事広告としての広告宣伝媒体の雑誌になってきている。

 巻末にはアレンジ・オーキッドとして、10月に開店したエイチケイプラス白金プラチナ通りショールーム(白金台4-19-21)と、小林美枝子氏(日比谷花壇フラワーデザイナー)が紹介されている。HKとは日比谷花壇、、、、の新しいトレンド・スタイルの提案

 →→→ エイチケイプラスモード

 雑誌の持つ情報量は大きく、ほとんどが「新しいお店」のインデックスとして「インテリジェンス」を持つものです。

■『DTPワールド』1月号(ワークス、1280円)は、特集 伝える思い、伝える力。コミュニケーション・デザイン。この手のパソコン・ソフト・デザインの本は書店で立ち読みして終わることにしている。ただ今回だけは買った。コミュニケーションとピクトグラムの可能性、、、、という記事があったからだ。オフィス・スローライフの林文博氏が書いている。ユニバーサル・デザインの境界のない考え方が基層にある。

 雑誌は、単行本にはならない情報量、小さな記事に鮮度とかインテリジェンスが入っている。

 →→→ オフィス・スローライフ

■12月のある日、都内でフローレ21の高杉さん、松山さんが取り組んでいる「花育(はないく)」の現場を取材した。フロレッタちゃん、で紹介され、、、、あるいはフローレ21のウェブサイトでもその事業は報告されている。こうした動きに対して、三鷹市のコテージガーデンでも、これまでずっと継続してきた子どもとの花の取り組みをウェブサイトに紹介してきている。どこの地域での花屋さんでも、こうした動きは行っている(たとえば札幌の森直子さんたちも、、、、子ども向けに長い活動をしています)。それが、ウェブサイトで紹介されることがなぜなかったのだろうか?ということを考えている。

  →→→ ハルデザインスタジオ(札幌)

 パブリック(公的・社会)に連なる事業が、実はその業態(そのお店の)の社会的存在意義なのだが、それはあまり自ら語られることは少ない。

 つまり、どこでも行われているだろうことは、雑誌や自らの情報を伝える媒体には乗りにくいということを示している。これは非日常のみを取り上げるマスコミとは逆の立場の個のメディアとしては課題を残す。たとえば重要な意味を持つ農村地域での婦人会活動などもそうだ。社会を支えている活動こそが、ほんとうは社会の表に出てくることが、活力を生む(土っ子田島味噌通信の創刊)。できるだけ、自分のことではなく、地域で行われていることを自分が取材して自分のブログ(ウェブ・ログ)に取り上げる、、、、、というのはそうした意味を持っている。自己主張のブログだと長続きしない。取材というのは、取材される人や組織の同意が必要だし、文章にも制限がある、、、、そうした社会規範のなかで表現をしていく訓練をすることが、自らの仕事を社会の中に位置づけることを考えることにとても役立つ。

 花育、、、、、の高杉さんたちの工夫には、「お手本(見本)」を示さず、使う素材を見てみな参加者(子ども、お母さん)が考える、、、、、というところが、いちばんの工夫。これが花屋さんの教室とは異なるところで、このことを敷衍(ふえん)していくことができれば、60年代初頭にビートルズが起こしたレボリューションと同じことが起きる、、、、、それを感じました。つまり守破離を、逆からたどる、、、、とういことです。手仕事の意味には、最初にどのように素材と出会うか?という感動がなければ、その型を学ぶ意味には感動することがないからです。子ども、、、、が持つ可能性とは、そこにあります。

 フローレ21の花育チームの高杉さんらによって「花育」の種子は社会にまかれました。それをどのように育てるかは、595人のフローレメールマガジンの読者の仕事です。双方向性とはそういうことです。ご自身の会社はSO(そ)という新業態のトライアル(フィージスタビリティ、FS)を12月16日から鷺沼でスタートしました。それが生まれるところに立会いに行きました。

 →→→SO開店

個的な暮らし、日常を伝える、、、、、というのは、向き合っている職業や植物の写真を伝えるだけ、ではない。まず、大きな景色、景観が見えてこない。花の写真ばかりで、その人が暮らしている環境、、、、景色が撮影されない、、、、ということが、書き手としてのとらわれが大きいことを示している。いつも見ている景色が、遠景に見えることが、読み手に何か別の意味を伝えることになる。書くことがなくなったら景色、道端の草、石、、、を載せる。温室、施設、グリーンハウス、、、、、ハウスの外の写真がとても重要なのです。ハウスの中には花や植物がありますが、そこに社会はありません。ハウスの外に社会があります。パブリック、公的な、、、、、21世紀のキーワードです。

 ブログを開設して、1年間の保守管理作業、ご苦労様でした。→→→モルセラ君の見ている風景より

■『食品商業』1月号(商業界・1280円)には、146ページに山梨県韮崎市の㈱広島 代表の相馬孝裕さんによる「年末のこの一品・迎春アレンジメント」が写真掲載されています。新しい試みですね。

|

« ホルティフェアの写真 | トップページ | 昭和30年代の豊かさ »