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2006年12月26日 (火)

選択の難

■2006年12月26日(火)。今日は午前9時から南会津町田島での「寒干しの会」のあられ作り作業を取材する。『会津学』3号の記事として取材計画を立てている。昼前には昭和村に戻り、午後1時30分からの昭和花き研究会・学習会(大岐センター)。その資料は1昨日まで作成して、新しい資料を加える。20061225img_5928

■『農耕と園芸』2007年1月号(誠文堂新光社)の第30回となる「オランダ便り」はフラワー・カウンシルが提供し、オランダウェブの久保麻里さんが翻訳している(124~125ページ)。IFEXの記事も先月号に続いて掲載されていて109ページにはフラワー・カウンシルが主催したセミナーの記事も掲載されている。

 101~102ページのポット苗のパック・トライアル(展示会)の報告写真を見ると、ホームセンター向けの店頭陳列の提案が多くなっている。

 113ページの滋賀県の試験場の記事で、「滋賀県では直販が増えつつあり、草花類に関しても周年での収穫が求められるようになった」とある。20061225img_5949

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■日本の卸売市場を経由した国産切り花の流通、商社や仲卸業・加工業・葬祭業による直接輸入による切り花の実需者の変化に加えて、地域の直売所では、新たな流通がはじまっている。それはその地域でまかなう種子系草花類の周年生産で、超・多品目生産である。すべて自ら企画して自ら販売する動きで、地域内の競合は激しい。冬期間や夏季など、市場仕入して店頭販売する事例も多くなってきている。農協(JA)も積極的な直売所の経営に乗り出すところが増えている。これは市場10%、JA系統で3~5%の委託販売手数料が、現在の市場流通で生産者農家が負担しているものを、JAが15%程度の直売所での販売手数料を、JA経営の収益源としているため、である。市場経由率が下がる、、、、というのは、地域内消費、、、、いわゆる地産地消向けで、消費者の家庭には生花店や量販店経由ではない花の購買チャネルができつつあることを意味している。中京・関西地区でこうした動きは特にみられる。20061225img_5978

 種苗商がこうした種子系草花の生産地域の構造の変化をいちばん把握している。某社によれば、首都圏、、、、特に都内での草花の生産が増えている。野菜を生産して直売所を持つ農家が、買上点数を増やすために草花の小規模・多品目生産をはじめているからだ。そうしたなかから余剰分を首都圏の卸市場への出荷にまわすような事例も出てきている。

 概観してみると、地域密着型は生産意欲、品種栽培欲、低コストの種子系草花の直売で意気が高い。一方、地方立地の大型共選産地は、さらなる規模拡大とするか、燃料コスト高のなかで品目転換、、、つまり単品栽培から複数品目栽培に移行するか?そうした帰路にある。またこれを機に離農という選択肢も多い。卸市場の流通の先の小売業の現状を考えてみること、卸市場流通ではないチャネルでの販路創造も考える時代になったこと、、、、つまり鋳型のように決まったこれまでの仕事を、いったん解体して考え直すことをしてみると、栽培品目に問題があるのではなく、販路・チャネル・販売手法・販促手法に問題があることが、すぐ理解される。しかし、そのことに気づく、、、、気づいても取り組むことができるのは、千分の一の割合にも満たない生産グループでしかない。20061225img_5836

 愛知県内の直売所で花の生産をしている農家を取材したとき、、、、、毎日朝直売所にパックした花を納品、昼に売れた分を追加補充、閉店前にはすべての花を持ち帰り、翌朝にはすべて新しい花で納品、、、、そうした鮮度管理をしている。仕事の質が大きく変わっている。そして顧客が見える、、、、、明確な顧客管理を行っていることが、生産意欲につながっている。売れなければ価格を下げる、下げても売れない商品は、売れない商品(品種)だということがわかる。その理由は単純だ。売れない理由を天候や相場や、品種や他産地にすべて課題があるとすることは全く無い。すべて自分に責任がある。これは通販で農産加工品を売っている人々にも共通する。顧客管理と変化対応が可能かどうか?適正価格、商品の価値、、、、すべて自己責任だ。自立した個が集まった集団でなければ、時代に合わせる変化対応と、時代が変わっても替えては行けない芯の部分と、、、それをすりあわせすることはとても難しい。やらないこと、課題を先送りすることをよいこととして、変化しないことをよいとする、、、、つまり変化は抜け駆けであるとする組織文化を持つ組織になってしまっているのが、個の自立を妨げている。自立した個が、目的を持って集団となることが必要な時代になった。個のままではとても厳しい時代だからだ。それは法人(会社・企業)と個は戦えないからだ。農業法人対法人(株式会社・企業)では、勝ち目が無い。個の集合たる集団なら、企業なら競争しても勝ち目があることは歴史が教えている。20061225img_5888

 大河に架かる大橋梁の太いワイヤーは、細い強靭なワイヤーを撚り合わせたものだ。それが人々が通る重みと、風雪の年月に耐える。細いワイヤーになろう。

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