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2007年1月 2日 (火)

湯川洋司の山村会津

■湯川洋司氏の2冊の著作を読んだ。20070101img_7007

『変容する山村~民俗再考~』(日本エディタースクール出版部、1991年、328ページ)

『山の民俗誌』(歴史文化ライブラリー、吉川弘文館、1997年、204ページ)

 著者は1952年神奈川県生まれ。山口大教授(民俗学)。会津山村部、九州(五木や椎葉)、山口の聞き取り調査をしている。前著が論文集で、後著は一般向けの書籍で、その前著の主人公たる人を主題として書いている。20070101img_7085

 会津には昭和48年(1973年)、20歳の大学生のときから通いはじめ、伊南村小塩、只見町布沢、昭和村大芦、下郷町白岩、熱塩加納村板の沢などを調査している。山の神とチヂン様(地神様)について論考している。水田より畑作地(常畑)が多く、それにカノとよばれる焼畑を加えると、焼畑・畑作地帯である、、、、1年を夏と冬の2期に分けた生業をしていて、冬の山仕事・狩猟は山の神様、夏の畑作は地神様となっている。20070101img_7050

 前著321ページでは、村の自律性を損なわずに村の外の世界と連帯していく(略)経済的な自立が重要であることは明らかだが、それよりも先祖を含めて自分たちが続けてきた山の暮らしの本質(合理性)をよく理解し、それにゆるぎない自信と誇りを持って、、、

 合理性とは自然に適応しながら再生産可能な資源の循環的利用が見られること、無駄のない生活が展開しており、したがって、地球環境への配慮なくしては明日が保障されなくなった今日にあっては、むしろ最先端をいくべきライフスタイルのふとつにあげられてよい。20070101img_7046

 著者あとがきに、目先のアイディアを競うことよりも、自らのふるさと像を客観的・多角的に伝え将来を考える新しいタイプの郷土教育を創造し、義務教育や社会教育の場に定着させることが、今後は重要になる、、、、(略)私の民俗学の出発点となった会津のムラで語りを聞いた一人一人から負わされた宿題のように感じている。

 後著61ページには「冬の有用性」が述べられている。

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