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2007年9月 1日 (土)

試作種の開花 うたげ

■2007~2008年に発売、あるいは発売される予定のかすみ草が開花をはじめています。そのかすみ草が自分で咲きたい姿や能力は、雪の下になった株が冬の間に休み、春5月に雪が溶け、自分の力で芽を出して咲く7月の季節咲き、、、季咲きの姿がひとつの目安になります。今年は植え付け後は雨が続き、根が晴れませんでした。8月は高温続きで、雨が降りませんでした。露地栽培ですので、時に水やりをジョーロで行いましたが、施設栽培との差は草丈の違いで出ます。露地は10cmほど短く、堅く育ちます。

 来年の7月の開花で、その種の姿を見て、今年の姿と合わせて、どのような栽培管理(仕立て方、かん水管理の仕方)がいいかを考えます。

 とはいえ、植物の持つ能力と、露地栽培での開花までの結果は、その年の環境変化を反映した姿になります。人手を加えて補正・誘因することができる範囲がどこまであるかは、圃場(ほじょう、植物が植えてある場所)のなかに入れば、生産農家は生育経過をみればだいたい理解することができます。

■2007年8月31日の試作圃場で見たかすみ草の開花品種です。

■昭和花き研究会では「うたげ」「みやび」(スミカ)の2種は今年初めての試作・栽培となっていて、特に、高温障害の発生を受けた団子花が出ています。

■■■うたげ(スミカ) 草丈80cm 6月27日定植、標高750m 照子さん圃場。つぼみ、開花花とも高温障害を受けている(団子花・緑色花)。花はニューホープの花で、草姿はすっきりと主幹に対して鋭角に付く。「みやび」よりは良い種であると感じた。立性でホワイトフェアリーと同じようなスタイルで株立ちする。姿とボリューム、ハンドリングは良く、高温障害を受けないような花を付ける時期、技法を考慮する必要がある。

 この栽培畑は1棟あり、定植後に葉に斑点細菌病が発生したため、屋根ビニル被覆を早く行ったため蔓延せず、7月の長雨でも充分な草丈を確保している。8月の花芽分化時期の夜温・昼の温度とも高く、定植時期をうまく考慮するか、昭和花き研究会がニューホープの基本作型としている7月末定植、8月中の2回目摘心で、高温障害罹病芽を除去して、9月から立つシュートを利用する方法がある。ただ草丈は60cmで10月開花となる。

 圃場で照子さんと相談した結果、高温障害罹患した緑色の団子花を生かすには、「染め色かすみ草」の素材として利用することとし、私(カンケ)が一部採花し染色試験してから実施することとした。その結果は大丈夫だった(8月31日夜確認)。採花は8月29日に1コモ分行った。

 「みやび」は軸は太いが軟さがあり、リュウクボタ氏向きな植物であると感じた。じなじな感があり太いため、夏場には「みやび」は不向きである。8月末開花分では、高温障害の団子花もつぼみも発生していた。大輪種の場合は夏場の栽培では団子花になり、また早生種の到花日数の短い種では草丈が確保できずに短幹で開花する。BF種が1990年代後半に雪ん子系に転換したのは、夏場の産地の高温障害がBF種には必ず発生し、秀品率が下がるため、一重種の雪ん子が選択された。一重種は、花芽分化期の日中の高温による生育活性低下や高い夜温により、奇形のもととなるシベ(雄蕊)が花びらとなり八重化するため、一重種が八重化することで商品価値が高まることで採用が広まった経過があった。八重種はさらに巨大化し未開花つぼみを抱えることで出荷できなくなっている。かん水施設を完備した施設で栽培することが前提であれば、これらの品種の特性は生かせる可能性はある。露地栽培の場合、「うたげ」「みやび」とも降雨による斑点細菌病の発生はホワイトフェアリーなどと同じく、すぐに出てくるため、屋根ビニル被覆下での栽培が条件。

 草姿は、「うたげ」は21世紀系。みやびは「BF系」です。2段目の花が開花したときの未開花つぼみの位置がポイントです。

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■染色液(パレス化学製・ハイフローラ/カスミ(STS):ピンク。20リットル缶)使用

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