■12月20日(木)午後1時30分から、福島県昭和村大字下中津川の昭和村公民館2階研修室において、昭和村花き振興協議会の第1回学習会が開催されます。無料、対象者は生産者・関係者です。だれでも参加できます。かすみ草の新時代がはじまっています。品種はどのように変遷していくのか?がわかります。
講師は金山普及所の花き担当の佐藤充先生。昨年、今年と昭和村の矢ノ原展示圃場での、かすみ草新品種の試作の結果について報告があります。
第2回の学習会は年があらたまり、2月下旬頃に「2009年からの市場法改正」と「カスミソウ全国サミットin高知参加報告会」として開催されます。
新品種の北海道における井野農園の試作は参考になります。→→→2007年の試作
■昭和花き研究会会員による定例会は、12月20日、同所にて学習会終了後に開催いたします。だいたい午後3時ころから1時間ほどですので、会場にお残り下さい。案内文書は近日中に発送いたします。来年の種苗とりまとめは12月21日となっています。
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<解説>
■日本のカスミソウの切り花生産は、ブリストルフェアリー(BF)からはじまり、1990年代にはいりBFからの選抜種のニューフェイス、ビッグミスター等の広島県甲田町の宮本仁郎さんの育種による早生系カスミソウが登場してきました。ちょうど日本のバブル経済が破綻して切り花価格、カスミソウも低価格の時代になってきた時代です。流通ではバケット低温輸送が採用され、品種では日本では高温障害になりにくい夏産地は「雪ん子」の時代になっていきます。
冬産地にBFやその選抜種が残り、高冷地は雪ん子系の時代が10年続き、2007年は数年前から暖地に投入されたアルタイルという新品種による時代への転換が明確になりました。
2008年2月に高知県で開催される全国集会はまさにアルタイル・サミットです。
BFから雪ん子系、そして2007年~08年は、アルタイルにかすみ草のベーシックアイテムが大きく変化する時代になっています。そのアルタイル系のかすみ草を軸として、各メーカーが似た風合いの品種を投入しています。××ベール、というシリーズの結果が出されます。
それらは昭和村矢ノ原高原の試作圃場で栽培され、高冷地では早生系は草丈確保が難しいことから、特にピンチと定植時期の関係、かんすいの問題があります。
なぜ品種が早生系になっているかというと、6~10月の高冷地(北海道、福島、長野、大分の飯田高原等)では中生・晩生種が向きなのですが、「団子花となる高温障害」になりやすい品種が多いことから、11月~5月の主要産地である和歌山・熊本・高知等での回転率(1株を切り戻しまた再生し採花する)と暖房燃料の値上げから、低温でも開花までの日数が短い早生系が選択の第一項目となっているためです。早生系は到花日数が短くてすむことと、冬季の低日照化での花枝・花こう部の間延び・軟弱化を防止できるためです。高冷地では短茎開花となるリスク(危険性)があるため、試作・検討を経ての導入となります。
<需要の変化>
■品種で解決できるものと、できないものがあります。仕事としては販路・販売先が固定されている場合にはその要請にあわせることと同じくらい大切なことがあります。
①定植ハウスからすべて採花すること(採花ロス率を低くする)。そのため80cmから60cm、など規格すべてにわたるものを収穫する。また品種により短茎の場合はそれ以下のサイズも準備する。混合規格などの扱い、出荷先の工夫、直売所などでの加工販売も視野に入れる。
②次いで、採花ロス率が低くなる、つまりすべて出荷できるような作業体系・販売規格体系とした後に、取り組むのは「秀品率の向上」です。この場合の秀品というのは、各長さ(サイズ、80~60cm、あるいは全長さ)に対しての秀品率ですから、曲がりや開花すすみ黒花を含むような切り前での採花を防ぐ、あるいはうどんこ病を出さないような管理や品種選定となります。
③現在、単価は高く売れる時代ではないため、各サイズをそろえ、取り切ることが必要です。50や60cmに価値が高く(単価は安くとも)、80cmには価値が低い時代です。そのため、1株からていねいに切る、それを実現するための仕立て方法が求められます。現在いちばんすぐれた品種は「雪ん子360」です。80cmと60cmがバランス良くとれます。ただ低温時期に花がピンク発色するため、開花時でも灌水や、保温等が必要になります。
④競争があります。卸売市場や仲卸店頭では「品質・ボリューム」などの産地間競争も実際にあります。ですからボリューム重視で出す規格、その割合、そして相対中心で出す規格、その割合など、品種構成以前の産地の販売方針(産地の品揃えMD・マーチャンダイジング)がまず必要になります。そしてその納品を可能にするための品種と規格マトリクスを構成し、その品種と仕立て方・出荷時期による他産地との優劣(競争)を見極め、品種構成がきまります。ボリュームが出る品種をスマートに仕立てたり、その逆をしたり、品種の持つ基本特性と産地のMDがうまく合致すること、栽培のリスク(危険性)、コスト、そして採花率や回転率(到花日数)などを考慮していくことになります。(菅家博昭)
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<まとめ>
■産地の課題を解決することは、品種選定だけではできません。たいせつなことは産地のビジョン(方針)と、出荷時期(旬別)・相手先別の仕様書の構成と、それを実現するための品種マトリクス(MD)です。
卸や実需者(生花店・買参人)への販促活動(プロモーション)のやり方が、産地ビジョンに基づかないと、自ら育ててきた品種イメージを破壊し、新しい品種だけを作り続けることになっていきます。品種を求める人の要望は多様化していません。発売される品種は多様化していますが、需要や要望は多様化していませんし、消費者の購買行動も多様化していません。品種の多様化で解決できるものは少なく、それよりも早期に産地のベーシックアイテムの確率と生産量の保持が大切な時代になります。新品種は作付の1割で、栽培経験を積みながら増やし、ベーシックアイテムに転換するのか、しないのか?コストや採花率・秀品率、、、、共選の場合にはそろえやすいかどうかを見ていきます。
需要の変化とは、80cmより60cmに価値を求め、満開咲きよりも、しっかりとしたSTS前処理をした日持ちのする、開花が進むものであり、品種に求められる実需者の要望を明確に査定することが必要です。それを解決するためには既存品種でサイズを変えることで可能かどうか?あるいは新品種をどのように仕立てれば可能かどうか?になります。
形態上の大きな変化は、BF系の2番花開花より先(天)に未開花つぼみが来る従来のフォーメーションか(ふんわり、ブーケ向けタイプ)、2番花より先に未開花つぼみが伸びない、いわゆる21世紀タイプかに分かれます。21世紀タイプは花が密集しまとめて使う給水スポンジに挿すアレンジなどの装飾に向きます。こうした21世紀タイプがアルタイルであり、ただし現在冬期間でているアルタイルは節(花こう部)が伸びているものがあり、BFと変わらない容姿になっているものがあります。品種の基本形態が栽培環境で(特に日照量と暖房)かわるので、品種の判断はできない状況にもあります。品種特性や形状は、栽培環境により全くことなってしまう場合があります。栽培環境を草姿が映す、、、、その違いが大きいのがかすみ草です。