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2009年6月 1日 (月)

約束の橋:沖永良部島11

■2009年6月1日(月)13度、曇り。

 昨夜、鹿児島県南西諸島の沖永良部島から本州の東北地方の福島県会津に帰着した。

今朝は、昨日午前に訪問した沖永良部島のNさんの自宅前で撮影した3名の集合写真(Nさん夫婦、Nさんの姉)を写真版Lサイズに印刷して、昭和村大岐の柳沢峠を越えて村内佐倉のHさん宅を訪ねた。

老夫婦が在宅しており、婆様がよく語ってくれた。4歳年下の東京在住の妹がこの昭和村に夏に連れてきたのがこの人だ、という。その妹Tはおととしに亡くなってしまった、という。昨日、Nさんの奥様が揚げたての熱い菓子をいただいたので、それを佐倉のHさんに手渡した。ああ、これも昔、もらったことがある、、、と言った。ちょうどホームヘルパーさんが訪問してきて細かな話をすることなし私は家を辞去した。

 昭和村のHさんの妹Tさんと、沖永良部島のNさんの姉は、東京都内で戦後同じ職場で知り合った女性通しで、沖永良部島に帰ることが遠くて難しいので、昭和村に夏休みについていった、という。何回も夏に訪ねたので第2のふるさとだ、という。会津の昭和村の家の裏山にはよく行ったとN姉さん。Nさんの弟が、30日の午後の和泊町での研究会に参加して、私に声を掛けてくれたので、こうした縁があったことがわかった。

 昭和村のHさんから、カラムシ織りのネクタイをNさんは、いただいている、という。

 沖永良部で暮らし、勤め先の東京から昭和村の夏に来たときのことを80歳近いNさんの姉さんは昨日に私に語ってくれた。当時ともだちTのお父さんが「サカナ(魚)をとってくる」と出かけたそうだ。N姉さんは、「海も無いのにどうやってサカナを捕ってくるのだろうか?」と思った。かやぶき屋根の家のなかの居間のイロリ(囲炉裏)には、割った竹の串が立っていた、という。何もサカナは付いていないと思ったら、竹の串の先のほうに細い身サカナが刺してあった、という。川からサカナをとってきたものだということがあとでわかったそうだ。沖永良部では、海は畑のようなもので、必要なときに必要な量だけ、いつでも手頃な大きさの魚を採ることができる。

 奥会津で、裏山に山菜やキノコを採る、という山幸的感覚が、沖永良部島でイノーで魚を捕る、という海幸的感覚、位置づけに似ている。

■昨日訪問したとき、78歳になるNさんは言った。

「山のある暮らし、、、というのは、よくわからないし、想像できないねえ。この沖永良部島は丘のような山と草原のような野しかない。山の樹木の森、というのも身近にないからねえ、、、どんなところだろうか?」

 帰路、『和泊町誌』の千ページの半分ほど読んで感じたことだが、沖永良部島には樹木がとても少ない。したがって自生する食用のキノコの類も四種類しかない。また家を建てる木材、日常の生活の中で使う火を焚くための木材もとても少ない、、、、そこで先人は蘇鉄(そてつ)を植えた。正月あけに蘇鉄を植える慣習があった。蘇鉄が島民の命を救った、と書いてある。毒のある実を工夫して毒抜きし粉にし食べる。葉を乾燥して焚きつけにする、、、実も無くなってしまったときには茎を砕いて毒抜きして食べる、、、、奥会津のなかでは「トチノキ」(栃の実)のような位置づけに蘇鉄があるように思えた。

 樹木が少ない分、一年でぐいっと伸びるタケ(竹)の数種をうまく生活に利用してきている。

 奥会津は半年間、雪と向き合う暮らしが続く。しかし樹木、菌茸、草、、、獣は多くいる。南西諸島の沖永良部島は台風とどう向き合うかで、暮らしを決めている。台風の時期を避けて仕事・生業を組み立てている。

 和泊町手々知名の長浜館(地区公民館)での研究会が終わったあとに、玄関から帰る夜道である参加者が言った。

「雨のくにと、雪のくに、、、、だったな、今日の話は、、、」

雨のくには台風の島でもある。

 佐倉から小中津川の上田集落を通り柳沢峠に戻ったころ、陽光がさしてきてエゾハルゼミ(春蝉)がまた鳴き出した。沖永良部島では秋の虫が草むらで鳴き、ホタルが舞っていたが、日中にセミは鳴いていなかった。

■届けた手作り菓子↓ 約束の菓子

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