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2012年4月 8日 (日)

6月20日、暮らしの風景・生業複合の歩み:小さな暮らしが結ぶ外の世界

■2012年4月8日(日)

 会津地方の全域で、いまだ毎日降雪がある、という年になっています。道路は凍結しています。ラジオからは首都圏で桜が咲いて今週に満開になる、という。

 今日は午前11時より会津若松市相生町 コープあいづ敷地内の会州一蔵の2階で、なかよしバンド(佐藤・中井ら)のコンサートがあり、私も出演する。午前9時30分集合で開場設営とリハーサルをする。

 NHK福島の朝のニュースでは伊達市のイネの放射性物質の吸収メカニズムを東京大学の根本圭介先生が現地調査するプロジェクトの内容であった。3月16日に福島県主催のGAP研修会で先生の報告を聴いた。

■今朝は昨夜届いた本を読んでいる。広島県熊野町中溝の神鳥書店で1万円(日本の古本屋)。

 小林茂『農耕・景観・災害 琉球列島の環境史』(第一書房、2003年、定価8000円・古本で10、000円)である。

 この6月20日に昭和村で開催される奥会津大学の講座で午前の大岐地区での野外踏査(フィールド・ワーク)「暮らしの風景・生業複合の歩み」と午後の講義「小さな暮らしが結ぶ外の世界」のための準備をしている。景観の変化をどのように調べるのか?その最近の事例を学んでいる。

 4月2日に届いた新刊本を読み始め、そのなかで引用されていたのが小林茂氏の著作。

 4月2日から読んだのは佐野静代『中近世の村落と水辺の環境史 景観・生業・資源管理』(吉川弘文館、2008年、13000円)

 奥会津大学は昭和村下中津川のNPO苧麻倶楽部が事務局で、今年で3年次となる。6月から本年度の開講で、1日のだけの受講も可能。チラシは近日配布され、内容もウェブでも公開される。→ 昨年の事例

■小林茂『農耕・景観・災害』では、琉球列島弧の諸島での水田に家畜を入れて踏ませ、その保水をはかる「踏耕(ふみこう?)」、イネの作季とその変動、水利条件や降水パターンとの関係、イネの品種を含め従来の稲作系譜論を批判、、、、が冒頭にある。踏耕は東南アジアにつながる技術。

 作物栽培を通じた環境の利用開発ということで奥会津の農耕を、いま考え直している。佐野氏は琵琶湖周辺、小林氏は琉球列島弧の調査と研究だが、どのように環境や人間の活動を見ていくのかという点で、参考になる。

 奥会津での、第二次大戦後にガソリンエンジンの耕耘機(こううんき)が入り馬がいなくなる、農耕地には草の堆肥のかわりに化学肥料が投入される。近世から戦前までの農耕地の維持には広大な草地(原野・カヤバ・秣場)がその地域に必要であった。ところが戦後、村落を支えた共有地(コモンズ)たる草地は分割登記されスギ・カラマツが植えられる。これで、この50年間の村落景観が大きく変容した。

 しかしその残した農地そのものも「遊休農地」といわれ荒れ地となり木が立ってきている。減反政策後、最近の企業の海外進出政策のなかで、農外の雇用そのものも無くなり、地域の農地は荒れ野原・山地化している。

 一方、生態系の観点からすれば「生態系が復元」されつつある、、、ことになる。

 歴史的に食糧を得るための農耕と、現金を得るための生業があり、奥会津ではアサの栽培・生産が重要な位置にあった。昭和村ではアサに加え、宿根草であるカラムシ(苧麻)が卓越し越後と結び付く。宿根草だけで畑を埋め尽くせば食糧たるものが作れなくなる。アサは種子で栽培する一年草のため夏にアサを引き抜き収穫した後に、野菜等(おばたけ菜)が栽培できる。2毛作となる。つまりアサとカラムシの輪作のほか(連作障害の回避)、畑地の高度利用の仕組みがあるが、これら畑地を維持していたのは広大な管理された共有草地(カヤバ)であることが知られていない。半栽培、半管理した野の草が畑を支え、近世の奥会津の社会を支えた。それをどのように定量化し実証し、今後の農地の管理のあり方に生かすのか、それを考えている。

 農地が耕作放棄され荒れる、のではなく、借用して祖先が使用していた農地を「自然に還す」ための長期的なプログラムの開発が待たれる。それは適正に火入れ・草刈り管理されれば現有農地を鳥獣害から守るための緩衝地帯(バッファ・ゾーン)となる。

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