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2013年2月13日 (水)

先祖が建てた家で暮らす

■2013年2月13日(水)

 2月12日は晴れ、曇り。昭和村では母屋の屋根の雪が落ちた。

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バッケ松

■2月9日、東京都内、日本橋馬喰町の民族文化映像研究所(民映研)で開催されたアチック・フォーラム。そこで書籍をいくつか購入してきた。

『合掌造り民家はいかに生まれるか 白川郷・技術伝承の記録』(白川村教育委員会、一九九五年一月)と、

『五箇山 結いと屋根葺き』(上平村教育委員会、二〇〇三年)

 いずれも民映研の調査・編集である。岐阜県・富山県をまたぐ家屋群についての記録で、今回のテーマ「コガヤ(カリヤス)」「茅場(カヤバ)」についての記述もある。

 民映研の姫田忠義さんは、明治45年生まれの田島はつさんの言葉を三カ所に載せている。それは、明治十年代に建てられた旧・田島家主屋についての想いである。

 祖父の時代に建てられた。「祖先が米も食わずに建てた」家を壊すのは申し訳なく思っていた。家を移築(保存)することを大変喜んでいた(五頁)。

 ここ(白川郷荻町)には難儀普請(なんぎふしん)という表現がある。家をつくる(普請する)のは難儀な大事業だという意味合いがある。旧田島家主屋の持ち主であった田島はつさんの「米も食べずに建てたんやぞな」という言葉は、それを端的に言い表している(十四頁)。

 第二次世界大戦、さらには戦後の高度経済成長期という激動の時代をくぐりぬけつつ、祖先伝来の合掌造り民家を守り伝えてきた白川郷の人たちの心のなかには、おそらくその「一軒でも減らしてはならない」という志が底流していたのであろう。それは本書のはじめにあげさせていただいた田島はつさんの言葉にもはっきりとうかがうことができる。

 「(この家は祖先が)米も食べずに建てたんやぞなあ。(このまま壊しては)先祖に申し訳ないって平生思ってた」

 (略)世界文化遺産としては、すでに法隆寺と姫路城が決定している。が、白川郷合掌造り民家とその集落には、それらとは決定的にちがった文化的価値がある。

 それは、大自然の草木に依拠しつつ、庶民自らの知恵と工夫と技術でもってつくりあげた住まいであり、いま現にそこに住くらしつづけている庶民文化、生活文化の結晶の場だということである。

 それは、時の権力者や富貴者がつくった単なる記念碑的存在とは比ぶべくもない重みと貴さをもっている。

■白川郷では、屋根材はかつてはコガヤ(標準和名カリヤス)が主であった。ススキはオオガヤという。カヤは10月末から11月の上旬にかけて刈られる。毎年刈られることと、その際、他の草を除去していくことで、良いカヤ場を維持していくことができる。同じカヤ場は何代にもわたって刈りつづけられる。標高700から1000mぐらいの間にカヤ場はあり、700m以上になるとオオガヤ(ススキ)が生育しにくくなり(種子がとんでこなくなると聞く)、良いカヤ場になるからである(13頁)。

   → 白川郷の鈴口茂さんのコガヤ畑

■五箇山でも、コガヤを屋根葺き材に使う。コガヤ(カリヤス)は一般のススキと異なり、茎は細く、背丈がやや低い。そのため、しっかりした密度で屋根を葺くことができた。

 また、ススキは茎の中に海綿状のものが詰まっているが、コガヤの場合は茎の中が空洞になっているため、屋根が乾燥しやすいともいう。

 カヤ場は家ごとに所有し、カヤ刈りもその家ごとに十月中旬から十一月中旬にかけて行った。

 カヤ場は毎年刈ることによって維持される。特に日陰のカヤ場は雑草が混ざりやすい。カヤが伸び始める六月頃に下草刈りをし、また秋にカヤを刈った後も地面に残る雑草の根切りをするよう心がけた。

 

 

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