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2014年2月26日 (水)

働くことは、生きる希望をいただくこと

■2014年2月26日(水)


 昨夜、会津若松市駅近くの食堂で、愛知県から来られたフクカエン種苗の松永亮さんと対話しました。本年の種苗(カスミソウプラグ苗)の数量確認をしました。ファンタイム、マグネットの導入時期と、その採穂するための現在の母株の情況です。またこの品種のエクアドルのエスメラルダ社(エクアドル)の開発方針と、松永さんの昨年の渡欧時のオランダ等の調査内容の概要もうかがいました。中南米のかすみ草生産国の移動が起きています。
 3月上旬(5~7日頃、7日早朝は名古屋花き店等、8日は千葉)に愛知県内の花の直売所を案内していただくことになりました。通常1本100円が多いのですが、300円の売価で、かすみ草がよく売れている場所がある、と松永さんは言います。どのような工夫をしているでしょうか?かつて種子栽培の草カスミソウ(ピンク種)を栽培して販売しているところが海部郡にありました。とても売れていました。
 
 → 福花園種苗  
 
 
 
 本年のマグネットは只見町布沢の篤農家・菅家和義さんが栽培されます(JA会津みなみ)。当方は4月上旬苗、中下旬に無加温促成ハウスに定植し促成機能(温度感応)を現地で見る予定です。フクカエン(エスメラルダ)のファンタイムは定着し春の無加温促成も夏の栽培も当地に適していることがわかったためこちらは安定数の栽培が行われています。
 
 昨年、カネコ種苗の新カスミソウ・スターマインを春定植で低温ロゼットで芽が動かなかった事例がありましたが、逆に、夏にはとても高品質の切り花が咲き、日持ちもすることから、昭和花き研究会ではこのスターマインは今年の夏秋の主力品種として日本国内市場に出荷していきます。

 他社のセレクタ社の新カスミソウ、銀河ウェイとプチパールは3月上旬に確認する予定です。

 新しい品種が試作され、それを生花店、消費者、そして卸市場の担当者に評価をいただく仕組み(サプライチェーン)も考えています。それについての提案も松永さんから聞きました。
 
■昭和花き研究会の打ち合わせが終わり、南会津町田部(田島町)の土っ子田島ファームの湯田浩仁さん・江美さんが来店され、フクカエンが輸入する新種のカラー(切り花)について打ち合わせが行われました。その後、皆で会食しました。湯田さんらは熊本県と広島県に明日から出張され、県の試験場でトルコギキョウ等を視察してくるようです。
 14日の大雪の除雪の苦労、ハウスをどのようにして護ったか、田島でもあのような短時間に急激な降雪(南岸低気圧)は珍しく、風向きも冬のものでは無いために苦労したようです。南会津管内では促成栽培のアスパラガス(生食用野菜)の生産をパイプハウスで行っており、降雪量にやはりハウス除雪が間に合わず倒壊被害が出ているようです。
 松永さんも同社の中部山岳地帯の鉄骨温室が雪害にあい、雪掘りに行ったことを聞いています。また長野県内の花の栽培農家の被害の様子も聞きました。
 
■一般論として、今回の2月の2回の降雪のような自然災害、あるいは施設強化、加温するようなエネルギー多消費の農業が持続可能であるのか?今後の花の生産者のあり方などを議論しました。
 立ち止まって一度考える時期に来ています。
 その土地柄に合う営農形態に変えないと、今後の長期戦には生き残れません。水田主体の農業が、政府の施策変更(転作)や、その土地柄を考えずに施設が建設され、その都合にしばられ、品目が選定され、長期間出荷が要請され現状が生まれてきた経緯があります。
 東日本大震災、大津波の防波堤を再建するのか?どのようにするのか?と全く同じ問題の構造が、今回の農業生産施設への雪害の再建に問われています。被害に遭わないような耐雪基準を見直し強化したものを建設してエネルギー多消費型で、はたして自然エネルギー主体での海外産の農産物と競合のなかで生き残れるのか?
 持続可能という農業のあり方と、刹那的に再建を急ぐなかで、本来の営農のあり方を忘れないようにして熟慮する時期です。
 
 露地栽培、ということの見直し。アメリカでは露地栽培の草花(サマーフラワー)の地産地消が進んでいます。ほんとうにその時期の出荷でよいのか?周年出荷はだれのための都合なのか?を含めて大きな転換期に来ています。

■湯田さんのところには国内外からトルコギキョウ栽培の視察や短期研修に来られる人々が多くいます。南会津の国際交流拠点となっています。現在の政府と関係が悪化している国々と、庶民の国際交流は平和の構築、信頼関係の維持にも特別な意義があります。
 
 生産者としてどのように仕事を伝えるのか?という課題も残されています。卸市場や生花店関係者の来訪がとても多くなり、公開日を限定して対応していく年になるようです。そして、開花した花を手でつまむ(触ってくる)生花店員も多く、商品には触らないマナーを伝える年にすると江美さんは語っていました。

 しかし一方で農園に来られる人々との交流の中で、自分の仕事と、その意味が見直され、仕事の質が良い方向に変化してきたのだと語っています。誰のために仕事をしているのか?その花を人々に届けることの社会的な意義を考えます。そうしたなかで、自らの生業・作業を客観的に記録し持続可能な方法、環境を考慮した農業という「環境負荷低減プログラム MPS」に参加しているわけです。雪国のパイプハウスの露地雨よけ的な(冬期間は屋根ビニルをはずす)農業でも春早く雪の残るうちからビニルをかけ地温を高める工夫が行われています。
 
 昭和村では、パイプハウスの骨組みそのものも秋に解体して雪から資材を護ることが30年行われています。雪国の魚沼の百合栽培も同じ工程です。秋にハウスを解体する、ということで降雪に折り合って持続可能な農業を営んでいます。
 
 山々のブナやナラ類の広葉樹が秋に葉を落とし、雪から樹幹を護るように、秋にパイプハウスのビニルを除去します。鉄骨ハウスはフィルムは除去できないため固定型となりますが、パイプハウスは自分で解体・再建が可能です。これを耐雪型にすれば、固定型となり、自分での解体は不可能になります。

 しかしパイプ骨材そのものを解体する農業は広葉樹の葉落とし以上のもので、樹林のなかに残る草々のような雪の下に埋もれる方法を選択しています。

 
 地域のなりたちを知る → 湯田浩仁さん

 
 最近、パートさんたちと作業の意味について学習を続けているねらいなども、今回聞きました。 → 湯田江美さん

 
■1月に渡欧して見てきたことについてお話しましたが、やはりコロンビアのパーフェクション(切り花)がチェコのプラハ近郊の仲卸で販売されていたこと(品目はアルストロメリア)。ネットでつぼみを包み、満開で採花し包装して世界各国に出荷するという「パーフェクションの思想」は重要です。安価大量というイメージの生産国のイメージを一新しています(日本国内でみると長野県の上條信太郎さんの花グループ・フラワースピリッツに似ている)。

 

■ 日経MJ2月17日6面。 土地と一体のエコカルチャーを持つ企業が、風土や文化と関連した商品を作り、全国や世界に発信する。土地の風土や文化と結び
ついた、、、、
 


 その土地に根ざした農業形態(露地栽培、露地雨よけ栽培、石油燃料を可能な限り節約して生産した季節的な出荷品、周年出荷ではない)と、その農業思想をきちんと客観的に記録・使用材料の低減を目指すという営農形態のひとつにMPSがあります。MPSで生産された花はソーシャルプロダクツに該当すると思います(昭和花き研究会 菅家博昭)。




 


 
■帰宅して、録画しておいたNHKテレビの「希望の花」を見ました。卸市場は東京日野市の多摩生花市場でした。お世話になった柴崎さん、秋山卓司さんらが映像にもありました。働くことを考える、とてもよいドラマでした。農家でも、その作業を手伝わずに育つ子供が多くなっています。生業(自営業)、、、の見直し、はたらく意味など多くのことを考えさせる内容でした。花屋の日常というよりも、花の意味。
 劇中、沖縄の太陽の花(箱)や、カスミソウもたくさん出ていました。夏秋頃の撮影だと思われるので、現在の多摩生花はJA会津みどり(かすみ草専門部会)のカスミソウが出荷されているので、昭和村産だと思います。
 市場内を歩くFAJの佐無田仁さんも見かけました。

 
■ NHK希望の花、再放送 → 3月4日午前1時25分より  →脚本家


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仲卸店前でのシーン。

 





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かすみ草写真集1

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奥会津の風景01

  • 20060801img_4064
    387枚、菅家博昭撮影。おもに昭和村など。

2006欧州視察

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2006年夏の記憶

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2007静岡カスミサミット東京

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2007年4月から

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2007年5月の風景

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IFEX2007_TOKYO_01

  • 20071011ifexdsc02602
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2007年11月

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