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2014年3月24日 (月)

史料と史実

■2014年3月24日(月) 晴れ

 
 昨秋より発刊がはじまった岩波講座『日本の歴史』、毎回、8ページの『月報』が刊本に封入されてきます。
 
 先日到着した3月、第5回配本の『月報5』には、東野治之奈良大学教授の「史料と史実」が掲載されています。
 
 史料から史実を読み取る営みは、歴史を叙述する基礎であり、客観性が要求されます。しかし歴史に発展法則を求めることができなくなり、趣味娯楽化さえしている今日、実証的な史料批判の方法は、さらに磨かれなければならない、としています。
 そして、実例を示した後に次のようにまとめています。
 
「残らなかったものや、消されたものに思いを馳せつつ、残ったものを考えてゆくという、当たり前のことを地道に重ねていくことが、歴史を現代に生かすために求められているように思う」
 
 
■仙台市博物館市史編さん室長 菅野正道「片倉景綱の事跡」(『白石市文化財調査報告書第47集 片倉小十郎景綱関係文書』2013年)で、ある文書について、  

 
 この文書の文言は天正年間から永禄頃にしばしば見られるようなもので、後世に作成された偽文書と断じることも、若干のためらい、を感じる。この文書の真偽は今後の検討課題としておきたい。
 


 
 
■東北大学大学院の柳原敏昭教授は「中世日本国周縁部の歴史認識と正統観念」(『講座 東北の歴史 第3巻 境界と自他の認識』清文堂、2013年)のなかで、

 
 「近年の研究には、(史料としての歴史叙述・由緒書・縁起・系図・家譜など)虚構や創作の部分を切り捨てるのではなく、史料全体を言説として捉え、フィクションの意味をも考えることで、作成主体の認識を浮かび上がらせ、そこに時代的あるいは地域的特性を見出そうという指向性が顕著である」としています。

 
 

■昨日午後、奥会津・西方の西隆寺で行われた会津学研究会例会では、4月末頃の締め切りとし、第7号の最終号の発刊を今年初秋に、ということに決まりました。
 また、朝日新聞福島県版に金曜連載している「会津物語」の素材たる聞き書きの進め方など、様々な話題のなかで、確定的な史料のない時代を地域史ではどのように扱うべきか、、、、ということも話題になりました。
 

 地域に残された文書資料、特に近世に書かれた中世の事跡などについての書物の記事の扱い方など、、、、、一考が必要です。

■会津若松市の市史編さんを担当された山口孝平氏は、『昭和村の歴史』(1973)の36ページで、

 会津の中世というと『会津四家(蘆名、山ノ内、河原田、長沼)合全』なる書が会津地方に流布していて、よくこれを史料として採り挙げられることが多い。この書の奥書に、寛永四年に四家の遺臣が著したように書いてあるが、これはまっかな偽りでそんな人物はいない。
 この書は江戸時代の中期頃、民間で系図づくりの流行したとき、地方を廻って歩いた系図書きといわれたものがつくった偽書であって、なんら中世の資料的価値のないひどいものである(36ページ)。
 
 この『~合全』は、会津藩士向井新兵衛吉重が編纂した『会津四家合考』とは別な書です。
 
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■1685年(貞享2年)風俗帳書出等より以下


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大内村(現下郷町)での作物禁忌「鎮守のお嫌い」

桜山村・中倉村(現下郷町):麻がよくできるのだが、水が不便(あるいは水質が悪い)なため、畑より引き抜き乾燥しただけの麻束(からを(苧))で売っている。

 

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貞享2年 耶麻郡 鎮守のたたりにて忌み物の事

会津高田↓
 
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尾岐組(谷ヶ地等)から柄麻(からを、畑より引き抜き乾燥させただけの麻束)を買い出し、雪の降る前の秋中に、水浸けし熟ませ外皮を採り(おひき)し 「を(苧、この場合はアサ)」にして「原麻」を売る。

 それを買い求め冬に、「を(麻)」を裂き、糸にし布に織る。
 
 からを(柄麻・柄苧、いずれもアサを分離しない商品)は、外皮の繊維を利用し、中芯の麻殻(アサガラ)が利用できる。いわゆる「おがら」で、焚き付けや、盆など宗教行事でも使用される。「を」とは麻類の総称で、からむしも含まれる場合があります。麻殻は集めて保管しておいて屋根材の化粧にも使われました。また1月のサイノカミ材料で、よく燃えました。糸を績み、糸車で紡ぐときの、撚りかけ糸を回転する針状の金具に10cmほどに切ったアサガラを刺し、これに糸を巻き取ることにも使います。 
 
 
 
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家世実紀↓
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ききりつくし やまとおく まかりなり
 
 
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(西会津町)野沢 荒井万五郎 (萬五郎) ろうそく1000を織田信長に贈る。
 
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