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2014年3月 7日 (金)

愛知県西尾市一色町のカーネーション 1

■2014年3月6日(木)愛知県内 晴れ、強風


 フクカエン種苗の松永亮さんの運転する自動車に同乗し、愛知県豊橋から西尾市経由で名古屋市内まで、一日、花の直売所(直売所内の花売り場)と生産者、種苗会社等を訪問しながら視察をいたしました。視察先の皆様には忙しいところていねいな対応をしていただきありがとうございました。

 ナデシコ科に属するカーネーションとかすみ草。葉の形状も同じです。
 
 
■昨年6月に私たちの福島県昭和村で、花の環境負荷低減プログラムMPSセミナーが開催された折りに、来村いただき、またセレクタ社から委託され、かすみ草(銀河ウェイ、プチパール)の苗の生産を行っている豊橋市内のベルディ社に水谷社長をたずねました。ちょうどプチパールの挿し穂したミストルーム(温室)と、クリーンベンチ等を見ました。
 
■セレクタ社がカーネーションの試作を昨年から行っている西尾市笹曽根町西落合の山崎辰典氏のハウスも、拝見しました。道に迷いながらようやくたどりつけました。2月18日、19日にオープンハウス(展示会)をハウスで行い、その後、採花したので開花中のものは少ない、という説明がありました。
 
■名古屋花き、仙花等に出荷をされている鈴木伊知朗さん。20年ほど前からSTS前処理済のカードに採花日(切り前日)と品種名とご自身の顔のイラストが書かれています。採花日表示をされた生産者では、たぶんいちばん最初の方です。またカーネーションのつぼみに白いネット(みかんネット?)をかぶせ、花の痛みを防ぎながら圃場での開花を確保する技法も7年ほど前より行っていて、これはオランダのディスパッドマムのネット処方をみてカーネーションにも採用されたそうです。 

■日本花き生産協会カーネーション部会編『カーネーション生産の歴史』(2009年)によれば、それまで、針金と糸で花を倒伏させないネットを編んでいたものを改良してプラスティック製のフラワーネットを発明したのがこの地域である。
 1967年(昭和42年)、愛知県一色町(現・西尾市)の平田新作氏と大藤製網の長谷千明氏がフラワーネットを開発したものである。

 
 三河湾に臨むこの地域は半農半漁、特に冬期間は海苔船を所有し海苔の養殖をされていたそうで、そうした網を製造する技術が存在していた。
 
■日本国内では最大の苗の取扱量であるフジ・プランツをはじめて訪問しました。愛知県西尾市一色町生田竹生新田1ー309。道に迷いながら到着したのですが、ここも養魚場ハウスがある地帯のなかに大きな施設がありました。

 マネージャーの石原善啓氏に見学依頼をしたのですが、多忙なところ鈴木善和社長が案内、説明をいただきました。これまでの取り組み、現在の課題等、明晰な内容でした。とても勉強になりました。
 見学した試作開花ハウスは清潔で、入室時も靴を消毒してから入る、というオランダ等では日常的に行われている仕組みが導入されていました。

 同社が育成したカーネーションの羽衣(はごろも)という品種は、やはりとても美しく、魅力的なものでした。

 
■碧南市に移動し直売所11カ所に納品している石川隆氏の2カ所の圃場を視察しました。1昨年11月にスペインのバルセロナ北部のセレクタ社を訪問した際に、花束生産農家を案内していただいたのですが、農園がすべての花を栽培し、ブーケを作り市場出荷していると同じような経営内容でした。温室の1列ごとに違う品目、作期の花を栽培する技法は植物と対話する能力と経験がないとできないことですし、店頭値付けの意味など含む総合力が必要です。
 松永亮さんによれば、東京都内世田谷区にもこのような生産農家がいらっしゃるそうです。今日(7日)は愛知県海部郡内の直売所対応の自家生産農家を10年ぶりに訪問します。
 JFMAの欧州視察で訪問したイギリスのズエッツルーツ社はバラ農家が花束加工業に転換した歴史を持っていますが、そのような道のりにある生産農家が日本国内でも直売所の展開のなかで生まれつつあるように感じました。
 
 
■現在、連載の最終となった大田花きの宍戸純氏の連載『農耕と園芸』3月号の「花事放談」を、フジ・プランツの鈴木社長と石原氏は読んでおり、恐縮しました。
 

 
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東京駅、朝6時台のJR東海道新幹線各駅停車こだま号に乗車し2時間、愛知県豊橋駅にてフクカエン種苗の松永亮さんと合流。晴れ、強風。富士山。
 
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JR豊橋駅西口(新幹線口)
 
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豊橋 ベルディ社
 
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豊橋市内の直売所
 
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  染め色かすみ草
 
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アルタイル。冬期間のアルタイルは花びらの数が減少するため、花の中心がラッパ状に「目」ができる。
 
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クラシックマム(菊)
 
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来店者は大量に花束を購入され、混雑していました。1億円以上の売り上げがあると思われました。
 
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歴史を感じさせる西尾市一色の鈴木伊知朗さんの木製材使用ハウス。
 
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養魚場地帯
 
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セレクタ社の展示会が行われた笹曽根町西落合の山崎氏のハウス
 
カーネーション
 
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碧南市の石川氏の圃場。スターチス・シュニアタの定植。
かすみ草のベールスター、ファンタイム、マグネットも栽培されていました。
花束用です。

この10年間で世界各地でおきているのは、花束を作るカーネーションやバラの農園が、市場仕入れしていたかすみ草を直接自社農場で栽培する、という事例が多くなっていることです。特にコロンビア、エクアドルではボール社のミラベラが採用されています。

ケニアでも同様にバラ農園がかすみ草を栽培する事例が増えています。

量販店に販売・納品する最終商品のミックスブーケ(花束)を、生産農園が製作し、そのなかにかすみ草が入っている、というものが多く流通しています。

JFMAの産地視察で感じたことですが、このような事例が日本国内でも静かに行われていることはあまり知られていません。
 
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愛知県碧南市のマグネット(石川氏作)
 
新かすみ草マグネットはファンタイムを日本国内で販売しているフクカエン種苗の最新種で昨年から試作がはじまっています。エクアドルのエスメラルダ社が育成し、国際的にも栽培面積が増加しています。
 
6日の夜に、フクカエンの苗生産担当の藤井さんにお会いしましたが、今年の苗の生産も順調のようです。
 
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碧南市内の直売所、手前のニンジンは1袋700円。ニンジン産地でもあるそうです。
 
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石川氏のフリージア
 
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電照LED
 

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国内最大のカーネーション育種、苗販売企業フジ・プランツ社
 
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試作温室。フジ・プランツ
 
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カーネーション「羽衣(はごろも) hagoromo 」フジ・プランツのオリジナル品種。美しい、清楚で、大きな花でした。
 
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火力発電所が5基。愛知県は工業地帯でもあり、農業地帯でもある。
 

 
 


 


 


 

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KANKE/リンク

かすみ草写真集1

  • 20061010img_3904
    348枚。菅家博昭撮影。かすみ草生産地での撮影。

奥会津の風景01

  • 20060801img_4064
    387枚、菅家博昭撮影。おもに昭和村など。

2006欧州視察

  • 20061101dsc00245
    2006年11月 JELFA欧州視察の個人写真記録。菅家博昭撮影。

2010年1月

  • 20100131dsc00811
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2010年02月 かすみ草栽培

  • 20100212dsc00221_2
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2006年夏の記憶

  • 20060913img_9418
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2006年秋の記憶

  • 20061114img_1169
    2006年秋の福島県奥会津の風景、カスミソウ栽培の様子など。菅家博昭撮影。

2006年12月冬の沖縄

  • 20061203img_3812
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2007年1月から

  • 20070401img_9892
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2006北海道かすみ草サミット写真誌

  • 20060715img_0143
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2007静岡カスミサミット東京

  • 20070201img_9619
    2007年2月1日に東京都内・大田市場で開催。

2007年4月から

  • 20070426img_5713
    2007年4月から、奥会津の風景、かすみ草生産作業風景など、菅家博昭撮影。

2007年5月の風景

  • 20070520img_0193
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IFEX2007_TOKYO_01

  • 20071011ifexdsc02602
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2007年11月

  • 20071108dsc04006
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2015 からむしフェア

  • 201507_19img_6580
    2015-07-18,19福島県’奥会津’昭和村で開催された第30回からむし織りの里フェアより。昭和村佐倉(からむしフェア)、喰丸小学校(新作記録映画 春よこい)大芦(からむし畑見学・からむし剥ぎ、からむし挽き。保存協会)地内。菅家博昭撮影。76枚掲載(372枚撮影)。キャノンEOS、ソニーTX。
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