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2014年7月13日 (日)

かすみ草まつり(ファン・ミーティング)の進め方

■ 2014年7月13日(日)曇り、小雨

 
 午前9時より、午後4時30分頃まで、かすみ草の2日目の店頭販売を行いました。生産者、流通業者、小売店、売り場の皆さん、来場者の皆さんの協力があり、こうした催事は成功します。平時の売り場の信頼があつい店先で行うフェアは必ず成功します。

 昭和花き研究会では14年前の2002年から、かすみ草フェアを提案しています。当時は、かすみ草を置いておく生花店、量販店売り場が少なく「いつでも、かすみ草の買える場所を」というのが目標でした。そのためには、かすみ草を家庭で長持ちさせるための管理方法、花瓶水に入れるフラワーフード(品質保持剤、栄養剤)を使い、適正切り前で販売すること、吸い上げ染色で、白だけではなく、選択する幅を拡げて、買う楽しみ、家庭で飾った後にご自分でドライフラワーにすることなどを提案してきました。2003年7月に昭和村で開催された第2回全国かすみ草サミットで、こうした取り組みを報告しています。

 

 初日の午前11時に地域新聞の取材を受け、その記事が今日掲載され、来場者の多くは、その記事でかすみ草まつりが行われていることを知り、来場されます。パブリシティはきわめて重要な取り組みです。記者が記事を書きやすい時間帯(午前)に来場いただき、午後・夕方には出稿していただく必要があります。また色が多色あれば、カラー版に掲載され認知効果はたかまります。パブリシティは、広告・宣伝ではなく、書かれて欲しい記事の内容で売り場やまつりの意味を構成し、それを伝えることで、正確な催事の意味を読者に伝えることになります。したがって取材される人も、言質については慎重にします。またすべての催事が終わってから記事掲載されないよう、取材時間帯は初日の午前中とします。事前に記事掲載されることが必要ですが、それはなかなか難しく、産地での取り組みを取材された際に、来月、どこで催事をする、という計画性が必要です。パブリシティのプレスリリースには過去3カ年に取材され記事化された資料も添付します(その主催者・催事の履歴や妥当性を客観的に示すもの)。


 
 店内では、開催1週間前より、店内各所に、かすみ草まつりが開催されることを告知します。このことにより来店客の多くに知っていただきます。
 
 当日は、染め色かすみ草の異色での3本束、5本束、7本束、10本束を製作します。また草花類とかすみ草を合わせた花束も製作します。染め色かすみ草は、人手を確保できる場合は、1本売り、好きな色を買える売り場を構成します。この際、販促ではなく、来場客とのコミュニケーション、商品管理の仕方を理解していただきます。購買者一人一人に商品の詳しい説明を行い、フラワーフード(花瓶に入れる栄養剤)を提供し、その使用方法のチラシ等を配布いたします。

 
 スーパーマーケットの場合、来場者は原則、地域内の固定客です。そうしたお客様にかすみ草の手入れの仕方、管理の仕方、今後出てくる品種・色、取り組み、来週(7月19日・20日)に産地公開イベント(からむし織りの里フェア)があり、会場より無料バスにてかすみ草の畑の見学ができるという「ファンイベント」のチラシ配布、告知も行います。(福島県奥会津:昭和花き研究会 菅家博昭)


 
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1本売り場で、ていねいにかすみ草を扱い、要望される色の1本一本を取り出します。そのことで客だまりができ、後ろにいる来場者が、購入の仕方を学びます。花を陳列バケツに投入する場合は、花束をばらし、一本ずつさばいてからまとめて水に活けます。束のまま桶に投入すると、取り出す際に枝からみが発生します。必ず、1本1本、ばらしてからまとめて入れます(ここがいちばん重要です)。
 水は、かすみ草の場合、クリザール・クリア・プロなど、抗菌剤と少しの糖類の入った水を使用します。
 
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抗菌剤のドーシング・ユニット。塩素殺菌された水道水を使用。

 
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一本売り場の場合。写真は1桶10本、取り出すときに枝折れが懸念される場合、5本入りでもよい。下2段の桶より花を取り出し、売れれば上の桶より下の桶に花束を移動する。補充は裏から最上段に入れます。

色については、同一価格でかならず白も入れます。
通常のフェアは白を入れて7色とします。
ピンク・ブルー・ラベンダーの基本色。
レッド・グリーン・メロン(イエロー)とします。
繰り返し催事を行っているところは新色を必ずひとつは投入します。
この売り場では「ロイヤルブルー」「ハンターグリーン」などです。
売れない色も必ずありますが、その場合は5本入れ桶で色帯を構成します。
好きではない色があることで、自分が好きな色を教えてくれます。
 
かすみ草の現在の品種は枝折れしやすいものが多いため、
ハンドリングに優れた品種を探します。
昭和花き研究会の場合はフォレスト、銀河ウェイ、ファンタイムなど枝折れが無く、扱いしやすい品種を選定しています。

白のカスミソウも、色のついたカスミソウも店頭売価は統一します。フェア時には、値入率で売価を構成しません。統一売価とすることで、価格ではなく、好きな色の花を自由に、迷いながら、えらぶことができます。ショッピングの楽しみは、どの色が自分が好きなのか、送る相手は何が好きなのか、どこに、どんな意味で飾るのか、、、、迷うことです。しかし価格構成で迷わせることはしません。
 
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1週間前より、レジ廻り、入り口付近で、告知します。
 
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におい抑制トリートメントは、かすみ草のにおいが半減して、効果は絶大です。
クリザールが前処理剤にSC(においコントロール)を添加したものを商品化しました(2014年5月)。におい抑制について協力が得られない産地を取引先としている場合には、加工業者が中間処理として行うことも検討されてよい。

 
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かすみ草の3色束、関連草花の染め色かすみ草入り束。

 
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お客様の要望をうかがい、かすみ草の扱い方の手本となるような、ていねいな花の扱いを見せます。その行動で、花の生産者の哲学を伝えることをします。「ていねいな仕事」を売り場で伝えます。
 
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花の説明、日持ち日数、管理の仕方は、店頭に立つ全員で統一した内容を伝えます。その内容は事前にまとめて、意志を統一します。
 
今年の天候や作柄も、ていねいに、大きな声で、周囲の人々にも伝えることが大切です。


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お客様は、最初に自分が好きな色の位置に立ちます。また、いちばんほしいと思っている色の花に手をさしだし、花をふれます。その行為をよく観察しておき、このお客様の好み(無意識)を記憶しておき、お客様の、色への迷いに、ていねいにつきあいます。そして最後に、最初にお客様の行動で示唆された色の花を、おすすめします。
 
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お店の花売り場スタッフのゆかたでの演出
 
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お客様に配布する花瓶水に入れるフラワーフード(花の栄養剤)。
産地オリジナル品「カスミソウ百年産地」をめざして、、、、

かすみ草まつりの店頭を、かすみ草との縁の場所として出会った人々は、必ず、再来店されます。その際、店頭にかすみ草は白・ピンク・ブルー・ラベンダー(紫)の4桶は常備する必要があります。10本で売り切れない場合は、5本で保持します。フェア(まつり)の目的は、固定客を増やすことにあります。そのため、ていねいに商品の説明、商品管理の要点をお伝えします。


 店先での催事では、来場されるお客様から、いろいろなことを気づかされます。たとえば、必ず聞かれるのは、「1本はどれくらいの大きさ(ボリューム・かさ)?」というものです。1本をお見せすると、価格とボリューム感の内容に納得され、はじめて購買する意志を固めます。
 
 1週間前にドライフラワー化したかすみ草も準備し、店頭に掲示します。また、かすみ草のつぼみは白で咲いていくことも、ていねいに伝えます。

 新しいお客様をつくり、その関係を維持するためには、消費者が必要とされる機能を持つ品種選定・サイズの選定が必要です。今回の販売した品種は時期のこともあり、「メレンゲ」「ファンタイム」「マグネット(新種)」「スターマイン(新種)」です。主要産地がほとんど生産していない品種を販売しています。お客様は、まず「美しさ」そして継続購買(ファンとなっていただくため)には、適正前処理・におい抑制SC処理と、日持ち性品種を選定することが大切です。

 2日間、店頭に立って感じることは、催事に足を止め「花を美しいと感じる心」を持つ、心のゆとりを持っている人々(生活者)は、豊かな人生をすごしている、と感じます。花の価格は高くもなく、安くもなく、生活に必需品というものでもありません。嗜好品です。その嗜好品を撰ぶ心の豊かさ、時間のゆとりを持つ人々が店先で足を止めて下さる。それを見ていると、やはり、花を、かすみ草を、作ることを30年続けて良かった、と思います。

 すべての商品は売りにくく、売れない時代になっています。その現状認識を持ちながら、どのように作り手の心を伝えるのか?それを考えて、畑での仕事を続けていきたいと思います。  (昭和花き研究会 菅家博昭)
 

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■昭和花き研究会では、2001年より、JFMAでの、かすみ草販売について検討がはじまり、2002年に花良品の店頭でのかすみ草フェア(新所沢パルコ店等)、以降・七夕かすみ草フェア(定例催事化)に取り組みました。阿部さんと、パレス化学の竹田さんによる協力が大きなものでした。
 福島県内では、2002年は会津若松市のリオン・ドール、2008年からは郡山市の開成生花の提案により、ヨークベニマルでのかすみ草フェア・定番売り場の開発がはじまりました。

 当時のPPTです。
 
 
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新所沢パルコ店2002年6月。
品種はかすみ草BF:ブリストルフェアリー。
左はプリパック(花束)、右は1本売り
これが、最初の大型フェアでした。
 

 

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有楽町店2002年~03年頃(ほぼ完成形)

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■2014年4月に発刊された『地域デザイン第3号:地域経済と観光ビジネス』(芙蓉書房出版)は、コンテンツからコンテクストへの転換について、地域観光を事例に取り上げています。
 
 53ページの註で、「コンテンツは提供内容であり、コンテクストは提供方法である」としています。
 
 これまでの、お花という提供内容、商品そのもの(コンテンツ)を、維持する、あるいは高めるために、提供方法(コンテクスト)の変更・変化、、、あるいは年に一度だけ提供方法(コンテクスト)を変えるまつり(フェア)という手法は、まだ開発の余地があるように思います。


 

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KANKE/リンク

かすみ草写真集1

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    348枚。菅家博昭撮影。かすみ草生産地での撮影。

奥会津の風景01

  • 20060801img_4064
    387枚、菅家博昭撮影。おもに昭和村など。

2006欧州視察

  • 20061101dsc00245
    2006年11月 JELFA欧州視察の個人写真記録。菅家博昭撮影。

2010年1月

  • 20100131dsc00811
    2010年1月25日~27日、熊本県

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  • 20100212dsc00221_2
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2006年夏の記憶

  • 20060913img_9418
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  • 20061114img_1169
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2006年12月冬の沖縄

  • 20061203img_3812
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  • 20070401img_9892
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2006北海道かすみ草サミット写真誌

  • 20060715img_0143
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2007静岡カスミサミット東京

  • 20070201img_9619
    2007年2月1日に東京都内・大田市場で開催。

2007年4月から

  • 20070426img_5713
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2007年5月の風景

  • 20070520img_0193
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IFEX2007_TOKYO_01

  • 20071011ifexdsc02602
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2007年11月

  • 20071108dsc04006
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2015 からむしフェア

  • 201507_19img_6580
    2015-07-18,19福島県’奥会津’昭和村で開催された第30回からむし織りの里フェアより。昭和村佐倉(からむしフェア)、喰丸小学校(新作記録映画 春よこい)大芦(からむし畑見学・からむし剥ぎ、からむし挽き。保存協会)地内。菅家博昭撮影。76枚掲載(372枚撮影)。キャノンEOS、ソニーTX。
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