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2014年9月 5日 (金)

かすみ草:フォレスト(晩生種)

■ 9月のかすみ草、フォレスト(スミカ育成)。通常のかすみ草の出荷規格は、茎元の結束部が15cm程度ですが、フォレストは、頂部ボリュームがあっても、下枝が未成熟枝(開花するつぼみのついていない短い枝)があるため、80cm規格でも結束部は30cmくらいまで枝を欠いてよい(あるいは、最下枝等が未成熟枝であってもそれを付けたまま)。通常の規格で、最下枝の評価点のために、フォレストを70cmに切り詰めてしまうと、価値が失われます。

 
 品種の特性を生かすような出荷規格は、品種ごとに、あるいは栽培時期ごとに微調整していくことをしないと、市場要求(80cmや65cm、55cm)に応えられずに、いたずらに産地の自己満足出荷規格になってしまいます。使用する人たちのことも考えた規格(サイズ)ということが、必要になっています。
 
 現在、昭和花き研究会では、今年はじめて55cm規格も出荷しています。これまで枝(S)クラスは60cmでしたが、今年から65cmと55cmに分離しました。通常の元切りは80cm、70cm、M60cmです。
 枝切り(S)は65cmと55cmです。
 
 9月に入り、白カスミ草の55cmの単価は110円となっています。予対・相対等と平均すれば価格は下がりますが、引き合いの強いものです。

 また、これまで品種別に100本(エルフ)とするまで、まとまらないので、数日・保冷・取り置きすると品質劣化につながるので、サイズを同じくし品種を混合出荷しています。これまでは、花市場の伝統呼称のコミ(混合)でしたが、昨年から高尾嶺農園の菊地さんに習って「ブレンド」(異品種混合)として出荷しています。コミという表示だと価格は半値になり、ブレンドだと価格は倍値になっています。
 
 また80cmはアルタイルしか引き合いがありませんが、65cm・55cmは品種を問われない、そうした価値があります。商品の価値は品種の価値ではなく、必要とされる機能の価値ですが、納品のタイミングを可能にする作付け体系(つまり途切れなく出す、気候変動の激しさに対応できる品種群の早晩生を生かす)ことが必要になっています。

 高度な栽培体系・経験知を蓄積していく必要があります。高度な植物栽培地域ほど気候変動に対応するような多品種栽培となっているのは文化人類学の知見でも証明されています。モノ(単一品種)ではなく、品種の価値を超える(あるいは品種の商品の意味を消滅させる)商品規格(長さ)があることを、うまく生かすことが求められています。
 
 品種があり、サイズ(規格)があり、納品時期があります。気候変動がはげしくなっています。こうした時代に、品種を越える価値は、品種や作型にあった商品規格(結束部や開花具合、ボリューム感の統合)を、じっくり考えて、一方では数量を求められる場面では、協同の力を生かすことが必要な時代になっています。
 
↓かすみ草フォレストの枝S55cm(大岐の大田圃場で菅家博昭が撮影)

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右手はハンディのデジタル・カメラ。シャッターを押す(切る)。
左手に花を持ち撮影するため、同じ写真になります。


 
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吸い上げ染色による品種による違い(花の構造、花びらの枚数による)。
左はベールスター(スミカ)、右がフォレスト(スミカ)。65cmサイズ100本。
 
染色剤は、横浜市のパレス化学の「ハイフローラSTSかすみ草染色剤(一倍液、20リットル)」。売れ筋はピンク、ラベンダー。次いでブルーとメロン。色が付いたら染色剤液から引き抜き、通常の前処理剤(大阪、クリザールかすみSCの30倍液)で長時間処理(冷蔵)。

 
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フォレストの染色(パレス化学のラベンダー)。
最初に色を吸った第1花がしぼむと色が濃くなる。
処理後、糖入り活け水で10日間咲かせたもの。つぼみは白で咲きます。
 
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パレス化学が販売している「レインボーフラワーメイカー」という
1茎多色染め道具(容器)で4色染めしたもの。処理後2週間目。
 
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量販店の店頭では、染めかすみ草を購入されたお客様に、
「フラワーフード(品質保持剤、切り花長持ち剤)を、水道水を入れた花瓶に入れて1週間鑑賞し、その後、陰干しする」ことを奨めています。ドライフラワーになります。かすみ草の晩生種・フォレストは1本で、充分な質感があります。

晩成品種は夏作に有利な品種で、気温低下、低日照(日長)で、ロゼットします(葉ばかりが密に出て、幹・茎が伸びなくなります)。


 
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フォレスト
 
 
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大岐集落。滝谷川の河谷平野は水田。大田は水田であったものを転作しかすみ草畑にしています。農道の右側は奈良布地区の水田の落水(排水)路、道の左のU字溝は滝谷川岩下堰からの導水路。水田に入れる水と、水田から出た水は別の水路を使います。
 
大岐集落周辺の小さな水田を中世から近世(江戸時代)は利用していましたが、さらに上流の湿地は我が家の幕末・明治期の人々、重兵衛(菊重、きくじゅう)が中心となって拓いた水田です。いちばん広い田となったので、「大田(おおた)」と名付けました。
 

 

 

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KANKE/リンク

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奥会津の風景01

  • 20060801img_4064
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2006欧州視察

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  • 20070201img_9619
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  • 20070426img_5713
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2007年5月の風景

  • 20070520img_0193
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IFEX2007_TOKYO_01

  • 20071011ifexdsc02602
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2007年11月

  • 20071108dsc04006
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  • 201507_19img_6580
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