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2015年4月 9日 (木)

コモンズという未来

■2015年4月9日(木)

 今年の奥会津大学(同実行委)では、コモンズについてという要望があります。当方の希望等を事務局に伝えていますが、6月17日(水)と11月25日(水)に、三島町と昭和村の共有地管理の実態(コモンズ)について、どうかと以下のような提案しました。10日頃に実行委が開催される予定のようです。

 実行委事務局からは、多様な要望があります。結論を語るのではなく、地域にある素材をもとに、ともに、考えてもらう内容にする必要があります。それにより私の方でも、あらたに調査と研究・思考をしていくことが求められます。

 

 ①「生業と共有地(コモンズ)、村の境界」(6月、三島町会場)

  奥会津では主河川に沿って一定間隔に集落が営まれています。

  それはどうしてでしょうか?

  かつでの生業をささえる山の資源(草や山菜、樹木)との関わりを考えます。

  観察地域として大谷川流域の間方、浅岐を事例として、

  先人の自然認識と管理の工夫に学びます。

 

 ②「昭和村のからむし生産を支えた共有地(コモンズ)のカヤバの資源管理を解読する」(11月、昭和村会場)

  奥会津の昭和村では全集落がアサとからむしの輪作による生業としていました。どのようにしてそれは営まれたのか?

  集落周囲の山地は草地で毎年春に山焼きが行われコガヤ(カリヤス)草地が維持されていました。

  そのコガヤが馬の飼料となり、畑の肥料となり、カラムシ焼きにも使用されました。

  また「イシマグソ(石肥やし)」という畑の小石をわざと残しアズキなどを栽培した工夫も考えます。

 以上が今年の私の提案の要旨です。これがいくつか議論をしながら、実際に行われる内容に収斂されると思います。①では野外観察を予定しています。

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■ 北條浩 『入会・入会権とローカル・コモンズ』(御茶の水書房、2014年、7800円)
 415ページの追記で、著者は、以下のような警鐘を鳴らしている。
 
 「コモンズ」論者が、日本の入会(いりあい)について実地調査を行ったり、研究の対象とするときに、『入会林野近代化法』の論旨や、民法学・法社会学者の「近代化」論をどう克服するかは、きわめて重要な課題である。入会権を前近代的な権利関係と位置づけ、これを個別的私的所有権利へ移行させることをもって、、、すなわち入会権の解体、、、、、入会権の近代化だとすると、当然のことながら入会団体(集団)は解体する。
 
 ローカル・コモンズないしは法社会学において、入会を研究する場合、資料はもとより実態調査をしなければならないのは言うまでもないことであろう。
 しかし、その実態調査がいかなるかたちと意識で行われたかが問題である。実態調査をしたからというだけで入会が解明されるわけではないからである。これは、とくにコモンズ研究者のフィールド・ワークにも要望したい。ということは、ときには、その実態調査が誤った入会についての認識を生むことにもなるからである。
 
 
■ 歴史学研究会・日本史研究会編『日本史講座 第7巻 近世の解体』(東京大学出版会、2005年、2200円)に、谷本雅之「産業の伝統と革新」という論文があります。
 
 幕末・明治前期の産業は、近世社会において定着した諸「制度」、、、「小農」「地域社会」「徒弟制」などの上に展開しており、、、、「在来的経済発展」(260ページ)、近世社会の達成を継承する制度的「伝統」が、この経済発展過程を特徴づけていた、とする。
 「家」制度に規定された小農経営は、農工融合を志向する労働力配分戦略によって市場経済へ対応した。「地域社会」の制約は、一方では取引コストを低減し、生産組織化の進展を可能とする要因ともなった(谷本)。
 
 
 
■ 『岩波講座 日本歴史 第16巻 近現代2』(2014年刊、
 
 坂根嘉弘「地主制の成立と農村社会」の241ページで、
 小作農が行動(小作争議)を起こすには、小作農が農業を継続するという強い意志が必要となる。小作農が農外へ労働力を移していけば、小作地への需要が減少して小作料が農外賃金と均衡するところまで下がるだけで、争議を起こす必要がなくなってしまうからである。
 したがって、争議が起こるには、小作農が農業を継続するという強い意志が必要であった。その条件を満たしたのが、日本の「家」の存在である。
 農民にとって「家」は子々孫々まで受け渡していくべき存在である、そうやすやすと家業・家産からの撤退は許されないからである。以下略。
 
■ 井上真・宮内泰介『コモンズの社会学 森・川・海の資源共同管理を考える」(新曜社、2001年)
 
 田村早苗「山村の暮らしから考える森と人の関係  雪国における森林利用とその変容」は、福島県南会津郡只見町塩ノ岐(しおのまた)のフィールド調査による報告です。
 
 賃労働と雇用、生活と家事の近代化とともに、森林利用は衰退したのである。塩ノ岐では昭和40年代なかば(1970年頃)がその時期にあたる。
 
 藤村美穂「みんなのものとは、何か  むらの土地と人」は優れた論考です。
 「みんなのもの」であることによって、個人の自由で無方向な利益追求が何らかのかたちで制限されてきたという事実、、、、和歌山県龍神村小又川地区の事例研究で紹介している。
 
 
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かすみ草写真集1

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奥会津の風景01

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2006欧州視察

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2007静岡カスミサミット東京

  • 20070201img_9619
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2007年4月から

  • 20070426img_5713
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2007年5月の風景

  • 20070520img_0193
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IFEX2007_TOKYO_01

  • 20071011ifexdsc02602
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2007年11月

  • 20071108dsc04006
    2007年10月オランダ、アムステルダムのホルティフェア、アールスメールマーケットでの印刷物資料

2015 からむしフェア

  • 201507_19img_6580
    2015-07-18,19福島県’奥会津’昭和村で開催された第30回からむし織りの里フェアより。昭和村佐倉(からむしフェア)、喰丸小学校(新作記録映画 春よこい)大芦(からむし畑見学・からむし剥ぎ、からむし挽き。保存協会)地内。菅家博昭撮影。76枚掲載(372枚撮影)。キャノンEOS、ソニーTX。
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